|
マインドファースト代表 則包和也 |
先月号でもご案内しましたとおり,マインドファーストは8月29日,特定非営利活動法人設立総会を開催しました。これを踏まえて,9月6日香川県に認証申請を行いましたところ,9月14日県民参画課から特定非営利法人設立認証申請書受理通知が届きましたので以下に報告させていただきます。
〇 |
公告は,県の広報である「香川県報」に登載される |
〇 |
申請書類は,香川県政策部県民参画課に据え置き,縦覧期間は9月7日から11月7日までとする |
皆様のご協力でとどこおりなく申請手続きを行うことができました。ありがとうございます。縦覧の段階で特に問題がなければ,縦覧終了後は,登記等の手続きを経て法人設立となる予定です。これからもよろしくお願いいたします。 |
|
早くから地域支援型のメンタルヘルスケアを選択した諸外国とは対照的に,隔離収容型の精神病床が一向に減らない日本の現状には絶望感さえ覚えますが,最近,香川県内でも精神医療の質にかかわる極めて憂慮すべきことが起こりました。ある精神科病院で白骨化した死体が見つかったことです。
マスコミ報道によると,『統合失調症で1991年に入院。閉鎖病棟入院中の2002年に行方不明になり警察へ捜索願が出されていたが,4年後の2006年9月10日に病棟の床下から白骨化した死体となって発見された』ということです。精神的健康の回復のために入院していた人の行方がわからなくなり,4年も経って病棟内で白骨化した死体となって発見される。一般病棟では起こりえないことです。自発的入院か非自発的入院かにかかわらず,また,自殺,他殺,事故など死因が何であれ,そこで行われている医療と看護の質の検証が急務であります。まして閉鎖病棟内での出来事であればなおさらです。
そもそも当時,所轄保健所は,精神科病院に対する実地指導の中で行方不明者が発生した事態にどのように対処されたのでしょうか。また,今回県当局は,この件に踏み込んだ調査や病院側への改善命令,さらに県下の |
|
|
精神科病院に対する臨時の一斉医療監視や指導などを行ったのでしょうか。氷山の一角とは,問題は,見えている部分よりも,見えてない部分の方がはるかに大きい,というときの喩えですが,今回はこの表現がぴったりするように思います。
1991年「メンタルヘルスケア改善のための国連原則」が,総会において全会一致で採択されました。その原則1「基本的自由と権利」の第1項に,「すべての人は,可能な最善のメンタルヘルスケアを受ける権利を有する。こうしたメンタルヘルスケアは保健及び社会ケアシステムの一部をなす」とあります。
WHO(世界保健機構)は,これまで何度か日本政府に対して,日本は精神科病院を少なくし,収容型の精神科病床を削減させ,それによって生じた人やお金を病院からコミュニティケアへ転換するよう勧告しております。
この数年,自殺者は毎年3万人を越え,その社会経済的損失は,GDP換算で年間1兆円にのぼるといわれます。エコノミックアニマルとは,かつての高度経済成長時代に拝金主義に陥っていた日本人を揶揄する言葉として用いられました。私たちは,いまもって国連原則に謳われている最善のメンタルヘルスケアを可能にするための投資意欲も知恵も持ち合わせていないアニマルなのでしょうか。 |
(マインドファースト通信編集長 花岡正憲) |
|
月5日(火),香川県立保健医療大学で今年度第6回定例会を開催しました。今回は久しぶりに見えられた方や新しく来られた方を含め9名の参加がありました。相談事業開始を目前にして,自分が利用者の立場であったらどのようなサービスを受けたいかという話から始まり,マインドファーストではどのような活動をしたいかなどを話し合いました。また自分がメンタルヘルスのユーザーになった場合,香川県ではあまりいいサービスを受けられないのではないかという意見も出ました。最後は抗精神病薬の話題になり,在宅のユーザーと入院中のユーザーでは,服薬内容についての情報量が違い過ぎるのではないか,という意見も出ました。(T.S) |
|
|
|
|
|
|
編集後記:10月からの自立支援法の本格施行を控え,現場は混乱しております。「美しい国づくり」を掲げて新内閣が発足しました。美しい国とは,「かしこく,人にやさしい国」だと思うのですが,いかがでしょうか。(H) |
|
|
|
|
|
|
|