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マインドファーストは,昨年12月NPOの認証を取得しました。これを記念して,今年度「プライマリケア現場における心のケア(仮題)」をメインテーマとするシンポジウムを計画しております。その実施に向けて,去る7月23日と30日,企画会議が持たれました。
治療技術が進歩したとはいえ,がんは国民の疾病による死亡の最大原因となっており,がんが「死」を意識させる病気であることには変わりはありません。今日,がんが国民の生命及び健康にとって重大な問題となっている中で,がん患者のショックを和らげるために,保健医療現場はなにができるか問われています。
また,がん患者家族は,患者にいろいろなケアを提供する立場にありながら,ともすると家族のストレスとそのケアは忘れられがちです。患者のQOLの向上のためにも,がんが家族の心に与える影響を理解するとともに,家族の精神的な負担の軽減を図ることは,がん治療において不可欠といえます。
こうした中で,本年4月1日,がん対策基本法が施行されました。近年,がん医療の満足度向上を図るために,サイコオンコロジー(精神腫瘍学)という新しい分野も開かれつつあり,がん「告知術」研修のプログラムも全国各地で始まっております。
こうしたことを踏まえ,今回のシンポジウムは, 「がん患者と家族−がんと心のケアを考える−」をテーマにして行なうことに決定しました。日時や場所は未定ですが,基調講演とシンポジウムの2部構成で行なうことを予定しております。シンポジウムでは,告知術に関わる方,心のケアや緩和ケアに従事する人,家族当人などをシンポジストとして考えております。今後引き続き,企画会議の中で,具体案を策定してゆく予定です。(M.H.) |
サイコオンコロジー(精神腫瘍学) |
Psycho-(精神あるいは心理)とoncology(腫瘍学あるいはがんの研究)を組み合わせた言葉。がん患者や家族の心のケアを主な目的としてがんと心の関係を研究する。1970年代,治療成績が向上し,病名の告知が一般化した米国で始まり,わが国では86年に日本サイコオンコロジー学会が設立された。がん患者,患者の家族,医療従事者などのがんにかかわる心理的な問題解決をめざした学問であるが,サイコオンコロジーには,2つの大きな目 |
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標がある。第1に「がん告知をはじめ,がんが患者や家族の心に与える影響と,その治療法を研究すること」,第2に「心ががんに与える影響,言い換えれば,がん発生の要因となりうる心理的・社会的な問題を研究すること」。この分野における研究成果を活かすことで,精神的ストレスを軽減することが期待されるため,精神科医,臨床心理士など心のケアの専門家が,サイコオンコロジストとして配置されている専門施設も多い。特定の身体疾患に特化した精神医学は,他に透析や腎移植などを受ける人を対象にしたサイコネフロロジー(腎臓精神医学)などがある。 |
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プログラム
開 催 日 |
テ ー マ |
講 師 |
2007年
7月11日(水) |
思春期のメンタルヘルスについて |
高松赤十字病院カウンセラー
島津 昌代 |
9月12日(水) |
やさしい統合失調症の話 |
精神科医
花岡 正憲 |
11月14日(水) |
精神病の早期発見と回復のために |
保健師
中村 照江 |
2008年
1月 9日(水) |
生活習慣病とメンタルヘルス |
糖尿病専門医
冨岡 幸生 |
3月12日(水) |
心の病と社会参加 |
保健師
中添 和代 |
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場 所:高松市男女共同参画センター |
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日 時:奇数月第2水曜日18時30分〜20時30分 |
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事前申込は必要でありませんが参加費として500円が必要 |
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編集後記:患者と家族が納得の医療を受ける上で役に立つのがセカンド・オピニオン。そのためには,第3,第4のオピニオンが必要な場合も。しかし,このところの角界をめぐる動きを見るかぎり,だれがどう納得するためのオピニオンを求めようとしているのか,疑問を感じずにはいられません。(H) |
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