相談支援事業

子どもの喪失体験の支援
HOPE(ホープ)
HOPEのイメージ
‘HOPE’は,子どもたちの個々の喪失をどう扱うかを援助するための相談窓口です。
生活の中で遭遇する喪失を扱うための効果的な方法を,みなさんが子どもたちに提供できるように援助することが目的です。

● 喪失体験は,子どもにも容赦なくふりかかります。そうしたとき,子どもにとって身近な存在である大人自身も喪失を経験しており,子どもの喪失に気がつかないことがあり,子どもへのケアが忘れられがちになります。子どもは,自分を守ってくれると信じていた親の沈み込む姿を見て不安になります。
● 幼少期から思春期における喪失(親・同胞や重要他者との離死別,転居転校,重篤な疾病への罹患,障害の発生,親の破産,災害等)が,若年者の人格形成,健康の保持・増進,うつ病関連問題等の発生に与える影響は少なくありません。

子どもさんが喪失を経験したとき, 子どもさんとそのことについて話す機会がありましたか。

「自分自身が突然のことで話す余裕がなかった」,「子どもが理解できる年齢になったら話そうと思った」,「どのように話してよいかわからなかった」と話せなかった理由をよく聞きます。

その一方で,「泣くのは,もうやめなさい」,「強くなりなさい」,「あなたはたよりにされている」と子どもに求めることがあります。

どのような種類の喪失でも,その後に子どもには激しい感情が生まれます。

子どもが同じことを繰り返し話すなら,その子は自分の感情を十分に聞いてもらっていないのです。


喪失の経験と子どもの反応

子どもが喪失を経験したとき,自分の感情をいろいろなかたちであらわします。

  • 「なぜこんなことが自分に」, 「これから自分はどうしたらいいの」という混乱,怒り,強い悲しみ,不安,あるいは感情がなくなってしまったといった心の状態としてあらわれます。
  • 食欲不振や頭痛,腹痛,睡眠障害など体にもあらわれます。
  • 赤ちゃん返りする,一人になることを不安がる,喪失など何もなかったようにふるまう,喪失の原因を自分のせいにして自分を責めるなど行動にもあらわれることがあります。
  • 子どもは,どこにどのように助けを求めていいのかわらず,一人で抱え込み落ち込み,引きこもることがあります。また,自分の不快な感情対処をアルコール,薬物などに求めることもあります。

喪失体験からの回復を支援する

身近な大人が寄り添う

最も重要なのは,子どもが安心して依存できる人との関係性を構築することです。子どもが信頼できる大人の支えが欠かせません。あなたの言葉と行動は,子どもたちに大きな影響を与えます。

子どもが回復する上で,自分は一人じゃない,周囲の大人から批判されていない,安全だと感じる必要があります。


子どもの感情を肯定する

喪失に伴う感情は自然なものであり,正常なものです。子どもの感情を肯定し,認めることが大切です。

心が傷ついたときに,子どもが悲しむことは必要なことです。

子どもたちに決して言ってはいけないのは,「泣くのは やめなさい」という言葉です。


子どもの話をよく聞き,子どもの感情を受け止める

出来事の事実を追及する前に,子どもの話をよく聞き,感情を認めることが必要です。

言葉での感情表現をうながすことは大切です。泣いているときにも話をすることを勧めます。涙によって悲しみが強く表現されていますが,さらに何を感じているかを話すきっかけを与えるのです。

子どもの喪失体験の反応は,それまでの親との関係,子どもの発達段階,別れた状況,残された周囲の大人,新しい環境で支える人などの状況によってかなり異なります。また, 子どもの場合,強い反応が後になって出てくることもあり,長期的な支援が必要です。


「マインドファースト」は,喪失を経験した子どもをもつ親や保護者にとっての相談場所です。

ここでは,3歳から18歳までの子どもさんで,喪失を経験した者の親,保護者,その他の重要な他者に対する対面型相談支援を行います。

必要かつ可能であれば年長児や若年者当人に対する面談も行います。


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  • 平日(月~金)9時00分~17時00分,土日祝日と年末年始は休ませていただきます。