講師活動報告
平成25年度「ひきこもりの家族教室」
認定ファミリーカウンセラー 浅海明子
2014年2月9日(水)の14時から15時半の1時間半,小豆総合事務所にて平成25年度「ひきこもりの家族教室」が開催され,講師を務めました。全3回シリーズで毎回講師が入れ替わるようになっており,私は第1回目を担当いたしました。対象者はひきこもり・不登校の子供を持つ保護者の方で,今回は3名の方が参加されました。
内容は,はじめに私から当NPO法人の活動である,ひきこもりの家族を抱えておられる人たちの支援グループ「おどりば」についてのご紹介と,次に『家族のかかわり方』とのテーマでの話題提供を行いました。そしてその後座談会形式で近況報告や抱えている問題の共有などがなされました。
『家族のかかわり方』において私がお話ししたことは,“理解できにくい”行動の背後には,言語化できにくく本人さえもましてや周囲も気づきにくいこころの傷つき体験があるかもしれないことや,こころの傷つきによって生じる反応のバリエーションが世代によって異なり,その理解し合えなさが傷をさらに大きくする可能性,また,そもそもこころが傷つくと融通性のない観念が固着しやすく自分で考える力が奪われてしまうので,“皆は〜”,“普通は〜”という固定観念で関わっている側にも実はこころの傷つきが背後に考えられるのではといったお話をしました。そしてまとめとして,こころはちょっとした変化で動揺しやすくストレスを感じやすいので,そうなれば疲れたり,落ち込んだり,元気がなくなって当然であること,そういうこころの弱さを理解して関わることこそ,こころを強くするということをお伝えしました。
座談会では,3名の参加者の方から講師の話題提供を受けての感想や近況報告がそれぞれなされました。学校に行こうとしない子どもに“焦らせてはいけない”と頭では分かってはいてもつい「〜したら?」と声をかけてしまっていたことに改めて気づいたというご意見や,自分自身の両親との関係性について振り返っておられた方もおられました。少人数で落ち着いた雰囲気の中で様々な話ができ,私にとってもこれまで様々に試行錯誤しながらやってこられた皆様の体験をお聞きできる貴重な機会となりました。また当NPO法人の「おどりば」について関係機関にご理解いただく機会ともなったように思います。
今後もこういった活動を通じて地域とのつながりをさらに強めていきたいと思います。
第105回理事会報告
日 時:2014年2月10(月)19時00分〜21時00分
場 所:高松市男女共同参画センター 第7会議室
事務連絡並びに報告に関する事項:省略
議事の経過の概要及び議決の結果
第1号議案 相談料の減免措置に関する事項:相談料の減免措置を行うにあたり,その財源確保の選択肢の一つとして事業受託がある。子育て支援等に関する補助事業や委託事業の可能性について今後も引き続き情報収集に動く必要がある。減免措置のあり方については継続審議となった。
第2号議案 調査研究に関する事項:高松市の協働企画提案事業の申請書提出後,1月28日に地域政策課,子ども園運営課,子ども家庭課の職員からの聞き取りが行われた。「こどもの喪失」という切り口が解りにくいということ,目的を保育士の質の向上というより,市民への啓発を中心におくことに一部変更し30日に再提出した。
第3号議案 居場所つくりに関する事項:進展なし。
第4号議案 ファミリーカウンセラーの活動規則に関する事項:規則の原案は作成中で,継続審議となる。
第5号議案 2013年度地域自殺対策緊急強化基金事業に関する事項:1月までの中間決算,相談事業の執行状況の報告がなされた。電話相談については理事メールで報告することが承認された。
第6号議案 2014年度地域自殺対策緊急強化基金事業に関する事項:県の担当者より2014度も実行されるとの情報提供があった。3月中旬には暫定の計画書の提出が必要になるため,各事業の担当者は計画書を作成することが承認された。
 編集後記:マインドファーストは,このたび,2種類のファクトシート「科学的有効性が確立しているうつ病の心理的治療」と「心理的外傷-トラウマになるショッキングな出来事に遭遇したら-」それぞれ約4,000部を香川県下350数か所の関係機関に発送しました。メンタルヘルス関連情報は,エビデンスレベルが必ずしも高いものばかりとはいえず,また,経験談や権威者の意見に共感するところはあっても,自分自身が抱える問題への理解となると,かえって混乱する場合があることも少なくありません。マインドファーストのファクトシートは,メンタルヘルスに関する最新の情報とその解決に向けてどのような行動をとれば良いのか,テーマごとにA4版両面に簡潔にまとめたものです。マインドファーストが作成したファクトシートは,今回のものを含め8種類あり,いずれもホームページからダウンロード可能です。(H)