2014年度 通常総会報告
  1. 開催日時 2014年6月2日 午後7時00分〜午後8時30分
  2. 開催場所 高松市男女共同参画センター 第7会議室(香川県高松市錦町1丁目20番11号)
  3. 総社員数 36名(内訳 本人出席13名 表決委任者11名)
  4. 審議事項
    第1号議案 2013年度事業報告書
    第2号議案 2013年度収支決算書,貸借対照表
    第3号議案 2013年度監査報告
    第4号議案 2014年度事業計画案
    第5号議案 2014年度収支予算案
    第6号議案 認定NPO法人取得に関する事項
  5. 議事の経過の概要及び議決の結果
     議長選任の件:浅海明子が議長に選任され,議長は総会成立の要件をみたしていることの報告に引き続き,本総会の成立を宣言した。議長により,議事録署名人に花岡正憲と島津昌代が指名され承認された。
     第1号議案 島津理事長より報告があり,満場一致をもって異議なく可決された。
     第2号議案 三好理事からの報告の後質疑に移った。会員から,普及啓発事業のマインドファースト通信の編集・印刷配布・ホームページへの掲載に関する支出額がゼロになっていることについて,事業の充実を図る上でも,予算化の必要があるのではないかとの意見並びにマインドファースト通信を広く配布してほしいとの要望が出された。これについては,理事長から,2014年度では予算化していることの説明と通信の配布に関することは今後の理事会でも審議を行なうとの回答があった。この後,採決に入り,満場一致で可決された。
     第3号議案 乃口監事より本案について報告がなされ,承認された。
 第4号議案 島津理事長より説明がなされ,満場一致をもって異議なく可決された。
 第5号議案 三好理事より説明がなされ,満場一致をもって異議なく可決された。
 第6号議案 島津理事長より認定NPO法人取得についての説明がなされた。この後,会員から認定NPO取得に関しては,資料を持って説明を行なった方が良いとの意見が出され,その場で,冊子『より信頼されるNPO法人になるために 寄付と会計のはなし』(香川県版)が出席者に配布され,資料にそってあらためて島津理事長から説明が行なわれた。認定NPO法人を取得することの意味について,取得することで会員として役割があるのかについて質問があり,島津理事長から,より公益性があり,社会的信頼が増すことで活動の幅が広がる可能性について,また寄付者に対する税制優遇についての説明がなされた。この後採決に入り,今後認証を取得するための作業を進めることが,満場一致で可決された。
議長は,以上をもって特定非営利活動法人マインドファーストの通常総会のすべての審議を終了した旨を述べ閉会した。
第111回理事会報告
日 時:2014年6月9(月)19時00分〜21時00分
場 所:高松市男女共同参画センター 第7会議室
事務連絡並びに報告に関する事項:なし
議事の経過の概要及び議決の結果
第1号議案 理事の増員に関する事項:定款第13条第1項では,「理事8人以上10人以内」となっているが,現在理事は8名である。基本的に10名にすることが承認された。その時期については,緊急性が低いということから,次期改選に向けて,公募することが承認された。
第2号議案 2014年度グループホームネット香川のスーパービジョンに関する事項:6月9日にグループホームネット香川サービス管理責任者の増田氏より, 6月中に第1回を開催するために早急に依頼書並びに契約書を送付するという連絡があった。スーパーバイザーは中村氏に依頼することが承認された。←




→第3号議案 2014年度ファミリーカウンセラー養成講座スーパーバイザーの謝金に関する事項:今年度のファミリーカウンセラー養成講座スーパーバイザーの謝金については,当初予算で計上されていないことから,来年度に向けて予算化を検討することが承認された。
第4号議案 認定NPO法人取得に関する事項:香川県に問い合わせたところ,まずは申請書を提出してほしいとのことであった。現在,申請書類を作成中であり,完了次第提出する予定であるとの事務局からの報告があり,承認された。
第5号議案 居場所作りに関する事項:ピアワークスの参加者から,どのような居場所を希望するのかについて,聞きとり並びに書面にて意思を確認することが承認された。
第6号議案 ファミリーカウンセラーの活動のルールづくりに関する事項:審議未了
第7号議案 マインドファースト通信の配布に関する事項:マインドファースト通信を関係機関に郵送配布することが承認された。送付先については担当理事を中心に50か所程度選定し,年間4回送付することが承認された。
第8号議案 高松市男女共同参画センター市民企画に関する事項:高松市男女共同参画センター市民企画講座に公開セミナ―の一つを応募することが承認された。内容については,NPO法人子どもの虐待防止ネットワーク・かがわの「児童虐待とその取り組みとしてのホームスタート」に関することとして講師依頼を行い,開催時期は2015年1月または2月で企画申請書を提出することが承認された。
「おそれ」 に委ねるのではなく気になる隣人とのつき合い方を学ぼう
マインドファースト通信編集長 花岡正憲
「おそれ」という表現は拡大解釈につながるのではないかと,憲法解釈をめぐる議論が行われた。法律用語として,「おそれ」と言う曖昧な文言が使われることは問題であるが,意外にも,この言葉が使用されている法律は少なくない。精神保健福祉法第29条(都道府県知事による入院措置)には,「都道府県知事は,第27条の規定による診察の結果,その診察を受けた者が精神障害者であり,かつ,医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認めたときは,その者を国等の設置した精神科病院又は指定病院に入院させることができる」とある。
ここでいう「自傷他害のおそれ」については,1987年の法改正前は,法規定上の判断基準はなく,運用上の基準にとどまっていた。1988年の改正により厚生労働大臣から基準が示された。その基準では,いくつかの病状又は状態像と,例示された自傷または他害行為の種類との組み合わせによって,そうした行為を引き起こす「おそれ」があると認めた場合とあるが,基準には「おそれ」そのもの定義はない。
「入院させる」というのは,行政権の行使に関わることであるから,必要最小限にとどめるべきであることは言うまでもない。しかし,わが国では,自傷他害のおそれという文言が,精神障害「者」に対するおそれとして濫用され,歪んだ精神障害者観を固定化する役割を取ってきたことは否定できない。1970年(昭和45年)当時,措置入院者数は76,000人余り,精神科入院患者数の30%を占めていた。1989年時点で,16,000人であった措置入院者は,その後減少傾向をたどり,2009年以降は,1,500人台で推移しているが,措置入院者が,保護者の同意による医療
保護入院に置き換えられたに過ぎず,精神障害者の処遇の実態に大きな変わりはない。
1996年4月に廃止された「らい予防法」第6条 (国立療養所への入所)にも,「都道府県知事は,らいを伝染させるおそれがある患者について,らい予防上必要があると認めるときは,当該患者又はその保護者に対し,国が設置するらい療養所(以下「国立療養所」という)に入所し,又は入所させるように勧奨することができる」とある。ここにも,おそれが多くの人から地域での当たり前の生活を奪ってきた歴史がある。
おそれとは,現にある事象が起きているか,まさに起きようとしている状況において,以後もその事ないしそれ以上の事が起こりうることを,蓋然性に基づいて行われる判断のことである。しかし,まだ起きていない事が実際に起こるか否かの確実さの度合い(確率)を判断することは,極めて難しいことも事実である。未然防止のために行政権の行使の判断は,行使する人のアセスメント能力に左右されるため,恣意や予断が入りやすい。その難しさゆえに,蓋然性による判断であるべきものを「おそれ」という表現で逃げて,その判断に幅を持たせようとする。いわば拡大解釈の余地を残すための便利な文言とも言えよう。
心の病は,関係性の病と呼ばれるように,周りの人の関与が大きく影響していることが少なくない。したがって,自傷他害のおそれは,心の健康を損なった人固有の言動だけでなく,本来,その人をめぐる状況に関するものである。おそれの判断は,地域社会における精神障害者とのつき合い方と密接に関わっており,ローカルルールが働きやすいということだ。それだけに,一見危険で否定的と見られる事象について,きめ細かな情報取集や関係者からの綿密な聴き取りを行なう過程で,疑念や不安が払拭され,見通しが立ってくることが少なくない。こうした経験の蓄積の中にこそ,不測の事態を防ぐための「知」があるというものだ。
集団的自衛権の発動要件については,「国民の生命,自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがあること」としている。何を「おそれ」とするかは,ときの政権の判断になるため,発動の範囲は曖昧になり,おそれという表現では,明確な基準にならないと議論を呼んだ。おそれを「明白な危険」に書き換えるというが,当然「明白な」とは何かということが議論になるため,ここに至っては,おそれの同語反復の言葉遊びに過ぎない。
おそれという曖昧な表現が,国民の生命,自由及び幸福追求の権利が根底から覆されることがあることは,ハンセン氏病患者や精神障害者対策の経験からも明らかである。気になる隣人との間に緊張関係が生じたとき,偏見や予断を持たず,相手とのつき合い方を探ってみる。この点で,外交と地域支援活動は,相通じるところがある。そして,それが大人としてのつき合い方であり,成熟社会に求められるものであろう。
 編集後記:英国では1975年,「性差別禁止法(SDA)」が制定されました。この法律は,性差や配偶者の有無を理由にした差別から男女を守ることを目的としたものです。同法は,雇用,訓練,教育,嫌がらせ(ハラスメント),物品及びサービスの提供,不動産の処分などにまたがり,禁止行為が定められています。2008年には,性転換者にも適応されるようになりました。2010年,SDAは,雇用法,人種関連法(RRA),障害差別禁止法(DDA),雇用均等法(思想信条,性的指向,年齢に関する)等の関係法令と統合され,平等法(Equality Act)となりました。都議会での性差別発言と議会の自浄能力の低下は,政治の世界だけの問題ではありません。私たちの社会のあり方が問われている問題であると思います。(H)