2014年高松市男女共同参画フェスティバル参加報告
2014年11月19日~11月30日,「認めあい,支えあい,ともに輝こう!」」をテーマに高松市男女共同参画市民フェスティバルが開催されました。マインドファーストは,パネル展とワークショップに参加しました。以下に報告させていただきます。
パネル展
今年も昨年に引き続き「男でも女でもなく身近なメンタルヘルスを考えよう」というテーマで,ポスター,事業のチラシ,カードとブロシュール,自殺やメンタルヘルスに関する啓発用ファクトシート,会報誌マインドファースト通信などを展示,配布いたしました。私たちはメンタルヘルスの推進と心のケアシステムの充実に向けて活動を行っています。展示をご覧になられた多くの方にマインドファーストの活動を知ってもらえたのではないかと思っています。(S.H.)
パネル展

ワークショップ
11月30日,男女共同参画センター第3会議室において,ワークショップとして森実恵さんを招き,講演会を開催い
たしました。森実恵さんは相談員などピアの活動を大阪にて活躍され,体験談や病気の付き合い方など複数の著書もあります。
当日の参加者は当事者様,御家族様,関係職の方々など40名ほどの参加となりました。講演では前半は「統合失調症とともに」という経験されたことを中心に,後半は「ピアカウンセリングについて」という2つテーマについて講演されました。
体験談は幻聴の聞こえ方の変化の過程や買い物など生活でどのような幻聴が聴こえてくるのかなど参加者に非常にわかりやすい内容でした。
ピアカウンセリングについては相談の心構えや対処の仕方について,参加者のロールプレイを交えながらお話しされました。時にユーモアを交え,前向きな人生の捉え方をテーマソングのように唄い語る姿がとても印象的でした。
最近全国的にみれば広がりを見せつつある当事者活動ですが,長く活動されている方の声を聞くことは貴重な体験であったと思います。森さん自身も香川県でも活動が広がるよう望んでいるそうです。
おかげさまで盛り上がる講演となり,多くの来場者を迎えることができ,感謝しております。(K.H.)
親は,子どもが何を考えているか本当に知っているか?
若者の心の健康メンタルヘルス財団,headspace(ヘッドスペース)による新たな研究によると,親が子どもに対して抱いている心配ごとと,若者自身が直面していると思われる課題との間には,断絶があることが明らかになっている。この調査の結果,メンタルヘルス問題を抱えた子どもが援助を求めている初期の警告サインを知るために,親たちの気づきを喚起するための新たなキャンペーンに着手する必要性が明らかになった。12歳から25歳の若者に関する12の項目について親の心配事のレベルを尋ねたところ,最も懸念をしているのは,薬物,嫌がらせ又はいじめ,うつ病,自殺,アルコール問題であった。
これは,2014年のMission Australiaの報告で明らかになった若者の心配事の上位が,ストレス対処,学校・交友問題,←




→ボディイメージであったことと対照的である。アルコールと薬物は,親にとっては最も大きな心配事ではあるが,若者自身にとっては,下から3番目の関心事である。
こうしたことから,headspaceでは,子どもの問題が大きくならないうちに,子どもとコミュニケーションをとり,子どもをどのように援助するかを学び,子どもたちにとって最も大切なことが何であるかを理解するように呼びかけている。
headspaceの最高責任者であるクリス・タンティは,以下のように述べている。「親がアルコールや薬物や自殺に対する憂慮が最も大きいことは当然とも言える。こうしたことは無視できないが,一方で,親がより適切な支援ネットワークとして機能するために,親が子どもたちの日々の生活の中で,一体何が起きているのかをよりよく理解することは不可欠である。親がすべての問題を解決する必要はないが,何らかのサインに気づき,どのような会話をするかは,極めて重要である」「調査とheadspaceセンターの活動を通して,若者にとっては,とりわけボディイメージへの関心が高いことが明らかになっている。このことから,親は,男女を問わず若者の食習慣の変化,体重や運動への執着といったサインに気づくべきである」
12歳から25歳の若者の5人に1人が,何らかの心の健康問題を経験するとされ,親は,若者が患っているかも知れない初期の徴候を知っておくべきである。headspaceは,メンタルヘルスと福祉に関して若者とその親を支援することに貢献している団体である。headspaceは,ティーンエージャーの心の健康問題に気づくのは難しいこがあるが,何か良くないことが起きつつあるという若者の気分や行動の変化に気づくのは,誰よりも親であるとのキャンペーンを行なっている。
タンティ氏は,「自分の息子や娘に起きているすべてのことに気がつくことは難しいにしても,親は何か子どもの調子が良くないことにしばしば気づく立場にいる。思春期は,難しい時期だけに,具合が良くない日や週があることは,ごく普通にあることである。しかし,より深刻な問題が起きるのは,日々のストレスに対処できなくなってしまうからである」という。
親への助言:
  • あなたのお子さんとオープンかつ正直に話し合いましょう。そして,あなたが心配していることを伝えましょう。
  • あなたが,子どものためにそこにいるという安心感を与えましょう。そして,あなたに何をしてもらいたいか尋ねましょう。
  • 子どもが望むなら,本人と直接話ができる専門家など,援助者の力を借りることができることを伝えましょう。
  • そして,適切なサービスを見つけられるように手伝いながら,注意深く見守って行きましょう。
(headspace news ‘Do parents really know what their children are thinking?’14/11/2014 訳:花岡正憲)
注)headspace:12〜25歳の若者向けのサービスを提供しているオーストラリア若者メンタルヘルス財団で,全国に70のネットワークを持ち,オンラインと電話によるメンタルヘルスサポートサービスを行なっている。2006年以来,オーストラリア連邦の財政的な援助のもとに運営され,これまで,うつ病,不安,ストレスなど12万件の個々の若者の課題に対応している。
第118回理事会報告
日 時:2014年12月8(月)19時00分~21時00分
場 所:高松市男女共同参画センター 第7会議室
事務連絡並びに報告に関する事項:省略
議事の経過の概要及び議決の結果
第1号議案 「主たる事務所」の変更に関する事項:主たる事務所は書類の閲覧できる現実的な住所地である必要があることを県の担当課より指摘された。定款第2条に「香川県高松市高松町牟礼町牟礼3720番地238」とある主たる事務所を「高松市西宝町3丁目7‐4」に変更するために,1月26日の19時より臨時総会を開催することが承認された。
第2号議案 技術援助依頼に関する事項:株式会社アド・セイル(香川県高松市本町10番26)からの技術援助依頼があり,2015年1月18日自殺予防シンポジュウムのパネリストに島津理事長が,また,2月から3月にかけて県下3か所で開催されるゲートキーパー養成講座講師に花岡(3/5),浅海,杉岡各理事に依頼することが承認された。また,本養成講座は,いずれも講師2名体制で行ないたい旨アド・セイル側と話を進めることが承認された。
第3号議案 認定NPO法人申請に関する事項:認定NPO法人申請が11月25日付けで受理された。1月6日に現地調査として県の担当者が来所する予定であり,監事に当日の立ち会いを依頼することが承認された。
第4号議案 高松市男女共同参画センター市民企画講座に関する事項:高松市男女共同参画センター市民企画講座の日程調整を12月19日までに講師と行うこと,参加費の徴収はしないことで承認された。
第5号議案 2014年度自殺対策緊急強化基金事業に関する事項: 「ファクトシート」の作成については担当理事が現在準備中であるとの報告があった。「ストレスチェック」に関しては1月中に原稿を作成し,ホームページの作成担当理事に依頼できるよう,ファミリーカウンセラー会議において,作業チームを決め実行することが承認された。
第6号議案 ファミリーカウンセラーの活動のルールづくりに関する事項:「特定非営利活動法人マインドファースト家族精神保健相談員制度規則案」について,第6条の相談認定試験については現行では,面接が当てはまり,第4章の研修施設については,現状ではフォークス21が該当していると花岡理事より説明があり,この案が承認された。施行日を2014年12月8日とすることが承認された。
第7号議案 相談料の減免措置に関する事項:指定相談支援事業者の可能性についてファミリーカウンセラー会議においても議論された。継続審議となる。
第8号議案 居場所つくり関する事項:居場所につくりについて提案があった件は,会員より保留にしてほしいとの申し出があったと藤澤理事より報告がなされた。
第9号議案 2015年度自殺予防関連事業の情報収集に関する事項:2015年1月に県の担当課より情報収集することが承認された。
第10号議案 相談室の安全対策に関する事項:個別相談時に事務担当が相談室で待機することがなくなったことでの安全対策について,今後の状況をファミリーカウンセラー会議で聞き取り,継続審議とすることが承認された。
第11号議案 調査研究事業「子どもの喪失体験」に関する事項:継続審議
編集後記:日本漢字能力検定協会が選んだ今年の漢字の一位は「税」です。税は英語ではtax。Taxには,「負担,重荷」という意味もあります。少子高齢化,人口減少社会に生まれ,思春期・青年期を迎え大人となって行く若者は,taxと喪失という社会環境の中にいます。52.66%。先の第47回衆議院選挙は,戦後最低の投票率を更新しました。20歳代,30歳代が他の年代に比べて低い水準になっています。これも将来深刻な社会問題が起きる何らかの警告として,若者の声に耳を傾け,オープンに話し合っていくことは,大人の役割かと思います。次の世代の生き方と深く関わりがあるという点で,政治が若者と誠実に向き合うことが,極めて重要であることは言うまでもありません。(H)