マインドファーストは,メンタルヘルスユーザー,家族,市民一般からなるNPO 法人で,臨床心理士・精神保健福祉士・看護師・保健師・医師及びその他の支援者の協力のもとに,メンタルヘルスの推進と心のケアシステムの充実に向けて活動を行なっています。
マインドファーストは,メンタルヘルスユーザー,家族,市民一般からなるNPO 法人で,臨床心理士・精神保健福祉士・看護師・保健師・医師及びその他の支援者の協力のもとに,メンタルヘルスの推進と心のケアシステムの充実に向けて活動を行なっています。
マインドファースト事務局:
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2016年 世界メンタルヘルスデー
キャンペーン活動報告
こころの健康は誰のもの?
「世界メンタルヘルスデー」をふりかえって
マインドファースト理事長 島津昌代
「世界メンタルヘルスデー」の存在を知ったのは今年度の事業計画を策定していた時でした。私たちの活動の柱として,メンタルヘルスについての普及啓発とスティグマ・偏見の解消がありますが,「世界メンタルヘルスデー」はまさにそれを目的とした国際デーでしたから,私たちの手で広く世に伝えていきたい,多くの方に関わってもらって活動を盛り上げていきたいと思い,10月10日に街頭キャンペーンを実施しました。
この準備の中でシンボルリボンとしての「シルバーリボン」も知りました。シンボルリボンにはHIV/AIDS啓発のレッドリボン,乳がん啓発のピンクリボン,児童虐待防止のオレンジリボン,DV防止のパープルリボン,臓器移植推進のグリーンリボン等たくさんあります。目に見えない障害についての透明リボンがあることは知っていましたが,メンタルヘルスへの理解促進のための「シルバーリボン」は初耳で,なぜシンボルカラーにシルバーが選ばれたかということを知り,とても深く納得したのです。
心がつらく苦しい状態は,どんよりと暗い空に覆われているように感じられます。しかし,重く立ち込めた雲の向こうに太陽はあり,雲から透けて見える陽の光は確かに銀色に見えます。希望を表す色として,これほどふさわしい色はありません。苦しい状態の中で希望を見失わないということは,言うのは簡単ですが,そこをしのいでいくにはなんらかの心の支えが必要で,そのひとつが人とのつながりではないでしょうか。
私たちの考えるメンタルヘルスは,人が生きていく中で誰しも苦しいピンチの時を迎えることがあり,決して特別な誰かの問題ではないということです。「世界メンタルヘルスデー」街頭キャンペーンで配布したチラシには,メンタルヘルスに役に立つ,日常的に大切にしてほしい情報を載せました。そのメッセージはとてもシンプルで当たり前のことですが,当たり前なことほど忘れられがちです。日々の暮らしを大事にすることがメンタルヘルスの基本であり,そんな当たり前の感覚を鈍麻させない。そうした意識が芽生え,地下茎のように人々の意識の中でつながっていくと良いなという思いでチラシをお渡ししながら,このチラシは,風にのって運ばれる植物の種のようなものかもしれないと思ったのでした。
今回,チラシとシルバーリボンは街頭配布だけでなく,関係機関やご支援くださっている方々にもお配りしましたが,今後ともこの活動を続けていき,いつか当たり前に
「10月10日?あぁ,世界メンタルヘルスデーね」と言われる日を目指したいと思っています。
今後とも,ご支援ご協力賜りますよう,よろしくお願いいたします。
世界メンタルヘルスデー街頭キャンペーンに参加して
マインドファースト理事 上間勇治
去る2016年10月10日(月)に,世界メンタルヘルスデー街頭キャンペーンを行いました。配布したのはチラシとシルバーリボンのセットになります。
世界メンタルヘルスデーとは,メンタルヘルス問題に関する世間の意識や関心を高め,偏見を無くし,正しい知識を普及するために定められた国際デーの事を言います。
また,シルバーリボンは,脳や心に起因する疾患およびメンタルヘルスへの理解を促進することを目的とした運動のシンボルです。
日本国内では,世界メンタルヘルスデーの存在はあまり知られていませんが,諸外国では毎年恒例のイベント行事となっています。
特に今年はイギリスで,英国王室のウィリアム王子とキャサリン妃が,世界メンタルヘルスデーに合わせて名物の大観覧車「ロンドン・アイ」に精神疾患経験者らとともに搭乗し,啓発活動を行ったということで世界的に話題となりました。
今回はそんな状況の中での街頭キャンペーンでしたが,150名程の方々に直接配布を行う事が出来たので大変有意義だと感じました。
また,事前に関係機関や各メディア機関にもメンタルヘルスデーのチラシセットと案内状を郵送させて頂きましたので,普及啓発活動としては良かったのではないかと思います。
ところで厚生労働省は,去年の12月から従業員数50人以上の全ての事業場にストレスチェックの義務化を定めました。ですから今後は,益々メンタルヘルスに関する情報も多くなり,同時に国民の皆様の意識も高まることでしょう。
しかし,それでも安心はできません。なぜなら,WHOによりますと,日常において,健康的な生活を障害する疾患として,西暦2020年にはうつ病が第2位になると予測されているからです。そのため国は2020年を目標にして,「会社でうつ病等の様々な精神疾患のケアやメンタルヘルス対策を100%受けられるようにする。」という指針を発表しています。
このようにメンタルヘルスに関しては国も積極的に動き始めています。ですから,我々一人一人も「自分の健康は誰のもの?」と言うように,今一度愛する人や家族のためにメンタルヘルスに興味を持ち,メンタルヘルスケアの実践を全国民で積極的に行う必要があるでしょう。
今回はその事を思いながら心から願いを込めて一枚一枚チラシ&リボンを配布する事が出来ました。
第1回メンタルヘルスデー・キャンペーンに参加して
マインドファースト理事 花崎 泉
今回のキャンペーンにはマインドファーストから4名が参加した。一人は「こころの健康は誰のもの?」という看板を掲げアイコンタクトを待ってチラシを配布した。私は,大きな声で「今日はメンタルヘルスデーです!シルバーリボンキャンペーンをしております。よろしくお願いします。」と元気にこのキャンペーン活動を行った。他には,信号待ちの人に近づいてのアピールする人と,静かに配る人といた。この4人の他にもこのキャンペーンの準備に携わった会員も大勢いた。
こころの健康についての知識を持つことはすべての人々にとって大事なものである。こころが置き去りになる昨今,リボンとチラシを手にして下さった方の何人かが内的な充足を得られたなら嬉しい限りである。
この手の啓発活動には,人々に懸念が浮かぶこともある。「宗教ではないですか?」と質問の声もあった。
初めてのキャンペーン活動だったが,150部すべてのリボン・チラシを配布できたのは成果だった。
今後のキャンペーン活動の反省になるが,街頭で皆さんにこころの健康について知っていただくには「元気で大声」にしてもダメだということだ。手探りの活動の中,自分のポジションは人のこころに訴えることだとは思うが,拡声器で静かに原稿を読むという方がより効果的であるように思う。こういった,キャンペーンに関してどんなアピール方法があるか研究したい気分に駆られた。来年度に向けての反省をして,次につなげたいと思う。
こころの健康は誰のもの?
マインドファースト理事 花岡正憲
2016年の世界メンタルヘルスデーでは,「こころの健康は誰のもの?」と言うスローガンを掲げ,キャンペーンを行いました。人々は,複雑化した社会の中で,知らず知らずのうちに,こころの健康を損いがちです。絶望や孤独の中にあっても,対話を通して人と人が支えあい,真剣に人とつながろうとする。自助(セルフケア)を基本として,互助と共助によって,こころの不健康を克服し,健康を維持していくことは欠かせません。
自殺未遂者及び既遂者には,精神医学的にみて,なんらかの病気ないし障害の状態にあると認められるものが90%以上あるとされます。しかし,「精神疾患」や「精神障害」という言葉は,ラベリングとなり,差別を受けやすい表現です。うつ病,精神作用物質乱用,反社会的行動などは,本来,メンタルヘルス問題として取り組むことが適切です。
米国CDC(疾病予防管理センター)が掲げる自殺防御因子の一つとして,支援の多様性と相談支援へのアクセスしやすさを揚げております。支援を必要としている人が利用しやすいヘルスケアのスキームの構築は喫緊の課題です。
今回の街頭キャンペーンでは,生活者目線を大切にした啓発活動という点で,従来の講演会形式やイベント型にはないインパクト効果があるという感想を持ちました。
街頭では,リング状に折った質素なシルバーリボンに目がとまり,ふと足を止めてくれる人もいれば,何を訴えているのか関心を持って語りかけてくれる人もいました。ここにアウエアネス・リボンのアウェアネス(気づき,啓発)と言われる所以があると感じた次第です。
第147回理事会報告
日 時:2016年10月17日(月)19時00分~21時00分
場 所:高松市男女共同参画センター 第7会議室
事務連絡および周知事項,報告事項:省略
議事の経過の概要及び議決の結果
第1号議案 香川県共同募金会平成28年度テーマ募金参加団体連絡会の出席に関すること:11月17日開催の標記連絡会への出席等,共同募金会から回答を求められている事項については,以下のようにすることで了承された。①出席者は,花崎と花岡とする。なお,当日連絡会の後の交流会については,日程調整段階で予定されていなかったため今回は欠席とする。②紙製募金箱の受け取り個数は5個とする。また,11月4日が提出期限となっている「募金活動に向けた取組み状況」への記載内容は,今回の理事会での意見を踏まえ,花岡が作成し,理事メーリングリストで回覧の上,了承を得ることとした。
第2号議案 ユーザーの居場所作り事業に関すること:標記事業の企画運営委員会の立ち上げに向けて,担当理事から7名の委員(同意者5名,未定者2)の推薦があり了承された。なお,委員が確定した段階で,理事長名で委嘱状を交付することが承認された。
第3号議案 ぴあワークスの新しいファシリテーターに関すること: 理事の花房が就任することで了承された。なお,当面は,花崎理事とのコラボレーションで実施していくことで了解された。
第4号議案 ぴあワークス参加者の対応に関すること:ぴあワークスの運営にあたって基本ルールを順守すること,また,基本ルールに従い,ぴあワークスという場を離れたところで生じるぴあワークス参加者またはその関係者間の軋轢については,ぴあワークス担当者の関与しえないこととすることで了承された。
第5号議案 オフィス本町の案内資料に関すること:上間理事から示されたデータをベースにしてホームページ原稿を作成することで了承された。また,グループミーティング参加者によっては,より開放感のある場を望む者があることを考慮して,今後ともふれあい福祉センター等公共施設をはじめとした他の施設情報を取っていくことで了承された。
第6号議案 グループミーティング会場変更についてのホームページ,ブロシュールの変更事項に関すること:11月からの高松市男女共同参画センターの移転後の貸館スペースの縮小に伴い,グループミーティングの会場変更情報をAIYAシステムに依頼することで了承された。
第7号議案 2017年度世界メンタルヘルスデーに関すること:2017年度の世界メンタルヘルスデーのキャンペーン実施日と実施場所等について審議が行われた結果,基本的には,2016年度のものをベースにして,漸次レベルアップを図っていくことで了承された。
編集後記:昨年12月,広告大手の電通に勤めていた当時24歳の女子社員が自殺したのは,残業時間が大幅に増えたのが原因だとして,労働基準監督署が労災認定していたことが分かりました。「休日返上で作った資料をボロくそに言われた。もう体も心もズタズタだ」などの言葉を会員交流サイトなどに発信していました。電通の社員手帳の『電通鬼十則』には,「取り組んだら『放すな』,殺されても放すな,目的完遂までは……」とあります。こころの健康は,誰によっても犯されたり,奪われたりすることがあってはなりません。職場社会をはじめ,多様な価値観や複雑な人間関係の中でこころが埋没し,「こころはどこへ行ってしまったの?」とならないために,原点に立ちかえり,「こころの健康は誰のもの?」という不断の問いかけが欠かせません。(H.)