マインドファーストは,メンタルヘルスユーザー,家族,市民一般からなるNPO 法人で,臨床心理士・精神保健福祉士・看護師・保健師・医師及びその他の支援者の協力のもとに,メンタルヘルスの推進と心のケアシステムの充実に向けて活動を行なっています。
マインドファーストは,メンタルヘルスユーザー,家族,市民一般からなるNPO 法人で,臨床心理士・精神保健福祉士・看護師・保健師・医師及びその他の支援者の協力のもとに,メンタルヘルスの推進と心のケアシステムの充実に向けて活動を行なっています。
マインドファースト事務局:
〒760-0032 香川県高松市本町9-3白井ビル403
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☎ 090-2828-7021
https://www.mindfirst.jp/
平成30年度
第2回高松市自殺対策推進会議
マインドファースト理事 島津昌代
2018年8月20日(月),高松市保健センターにおいて今年度第2回高松市自殺対策推進会議が開催されました。これは,6月5日に開催された第1回会議の後にアンケート調査された各団体等の自殺対策の取組状況をまとめて情報共有し,「高松市自殺対策計画(仮称)」を作成するためのものでした。
本会議に参加している民間の支援団体は,香川いのちの電話協会,NPO法人グリーフワークかがわ,マインドファーストの3団体で,それぞれ自分たちの取組みを紹介しました。これらは「高松市自殺対策計画(仮称)」の中に取り上げられる予定です。
この「高松市自殺対策計画(仮称)」は,2019高松こころの宣言として発行されるようですが,参加委員の中からは「いろいろな対策が掲げられているが,対策課が縦割りで内容も同じようなもので,自殺しようとする個人の顔が見えない」「行政で活動している人はどこで勉強しているのか,“グリーフ”についてもっと知ってほしい」「個人情報保護の問題もあるが,実務的な連携が取れないか」「夜間の相談窓口が必要」「高校生への自殺予防の働きかけを県からしてほしい」等々の発言があり,保健センター所長からは「各団体・機関と一緒に活動するということを積極的にやっていきたい」とのことでした。
今後のスケジュールとしては,11月初旬に「高松市自殺対策計画(仮称)」の内容の確認や表現のすりあわせを行うようです。支援を必要としている人に届く支援とはどんなものか,どうすれば届くのか,行政と民間支援団体の協働は今後ますます重要になってくると感じました。
平成30年度
香川県自殺対策連絡協議会
マインドファースト理事 柾 美幸
9月6日(木)15:00~16:30,香川県庁本館12階 大会議室において,平成30年度香川県自殺対策連絡協議会が開催され,関係団体の26名(内事務局6名)が参加しました。議題は,以下のとおりです。
1.から3.は事務局から,4.は参加7団体からそれぞれ報告がありました。
初めての参加と言うこともあり,1.2.3.については膨大な資料をめくるのに精一杯であり,加えて非常に早口での説明だったのでついていけませんでした。オフィスに資料をおきますので,ご関心のある方は,ご覧になってください。
「いのちの電話」と「グリーフワークかがわ」からは,活動できる人材が不足しているという報告があり,マインドファーストも同じ悩みを抱えていると感じました。配布資料「自殺予防の相談窓口一覧」について「グリーフワークかがわ」から以下のような質問があました。「いのちの電話」「マインドファースト」「グリーフワークかがわ」では相談員の養成を独自で行っているが,相談窓口で電話対応をする人はすべて専門的な研修を受けているのか,というものです。これについては,相談窓口が広いほうが良いという判断で必ずしも専門的な資格があるわけではないと言うのが事務局の回答でした。
また,人材養成に苦慮している団体が集まって相談で
きる場があればありがたいとの意見に対しては,事務局から,そうした協力体制が取れるようにしたいとの回答がありました。
高松市はひきこもり相談窓口などは特定のNPO法人に委託しています。委託事業を受けず事業展開を行なっている団体においては,資金面の困難を抱えているものが少なくありません。こうした実情に対する関係当局の理解も欲しいところです。
進まぬボランティアへの理解
東京五輪組織委員会がボランティアに対し,交通費として1日1,000円のプリペイドカードを渡すことを決めました。交通費は全額支給ではなく,宿泊費は自己負担です。特に地方からの参加者にとっては大きな経済的負担になります。最大の問題は,理事が高額な報酬を受けていることです。最高で月収200万円に上るとも言われます。
ボランティアを呼びかけて行う事業は,本来なら労働対価として支払われる正規の報酬を支払わず,ボランティアによる無償ないし著しく低い価格での労力の提供を受けることになります。つまり,組織委員会は相当額の「みなし寄付」を一般市民から受け取ると言うことです。
経理上は寄付金として表に出ないが,一般市民からの浄財で成り立つ事業体では,役員は原則無報酬か低額の報酬でなければ筋が通りません。一般市民から寄付を募って,役員には高額な報酬を支給する。これでは,市民感覚からかなりずれている,と言う批判が起きてくるのも無理からぬことでしょう。
私たちの社会では,ボランティア活動に対する理解と正当な評価がなされているとは言い難く,東京五輪において,ボランティアとのコラボレーションが円滑に進むかどうかは大いに疑問があるところです。
(マインドファースト通信編集長 花岡正憲)
第171回理事会報告
日 時:2018年9月3日(月)19時00分~20時40分
場 所:マインドファースト事務局オフィス本町
高松市本町9-3白井ビル403
事務連絡および周知事項,報告事項:省略
第1号議案 ユーザーの居場所作り事業に関すること:会員で居場所づくり委員の山奥氏から直近の取組みについて報告があった。香川県子ども政策課に,子ども・若者支援施策事業として行われている県下3か所の居場所の運営について照会したところ,物件はいずれも実施団体が不動産業者を介して確保した賃貸借物件であるとのことであった。県地域活力推進課所管の空き家活用について照会したところ,空き家を扱う不動産業者によれば,空き家の賃貸借物件は少なく,多くが売り物件であるとのことであった。既に開設しているの居場所『Repos(ルポ):フランス語で「休息」という意味』(高松市香川町浅野709-2)は,当面開催日を第1及び第2日曜日14:00~16:00とし,今後利用者に対して開催日時・回数,利便性等について意見を聞くアンケートを行う。また,居場所運営委員会は第4日曜日に開催することする。理事会としては,居場
所運委に関わる必要な支援を行なっていくことで了承した。
第2号議案 オフィス本町相談室の緊急時の対応に関すること:相談担当者から相談時における身の危険を覚える事態への対応について何らかの緊急連絡方法を持っておきたいとの意見が出された。これについては,110番通報,緊急通報システム(「押すだけコール」等),防犯ブザーなどの活用も考えられるが,相談担当者会議で実務担当者の意見交換を持つことも必要ではないかということで了承された。
第3号議案 傾聴・相談力セミナーに関すること:担当理事の吉田から,Facebookとホームページに掲載用の原稿を作成中であるとの報告があり了承された。
第4号議案 東讃保健所の高校生対象の心の健康講座に関すること:標記は,平成21年度から東讃保健所が実施している事業で,今回は,当法人の技術援助を受けて,志度高等学校3年生135名を対象として10月31日に行われるものである。9月3日の打ち合わせを踏まえ,50分弱と言う限られた時間の中で,当事者の体験談を中心にした内容で準備を行うことで了承された。
第5号議案 NPO認証取得10周年記念シンポジウムに関すること:9月14日(金)19時からオフィス本町において第1回実行委員会を開催することで了承された。
第6号議案 世界メンタルヘルスデイ街頭キャンペーンに関すること:10月6日(土)の街頭キャンペーンに向けて,9月16日(日)10時からオフィス本町においてシルバーリボンの作成並びに関係機関への送付作業の一部を行うことで了承された。
第7号議案 事務局業務に関すること:専従事務局員の配置の必然性と事務局電話の管理に関することについて,今後とも協議を重ねていくことで了承された。
第8号議案 新聞社の取材に関すること:9月10日の世界自殺予防デイに向けて,毎日新聞社から自殺予防に関連した当法人の事業について取材をしたいとの申し入れがあった。これについては花岡理事が対応することで了承された。
第9号議案 10月の理事会に関すること:10月8日第2月曜日は祝日につき,15日(月)に開催することで了承された。
編集後記:「数」は社会の公平性を担保し,民主主義を支える大切な基本要素です。9月28日,厚生労働省は国の障害者雇用の水増しの実態を公表しました。障害者雇用促進法では,行政機関に対して障害者を2.3%以上雇うように義務付けていますが,実際の雇用率は1.19%に過ぎなかったことがわかりました。これまで約6900人の障害者を雇用しているとしてきましたが,実はその半数以上の3460人が水増しされていたと言うことです。不正は27省庁で行われていました。官庁での雇用率を高め,民間への波及を期待したものでしょうが,率先垂範という驕りがもたらした官の誤謬とも言えます。障害者を単なる数合わせの対象にするのは,一人ひとりの生活と人権が大切にされていないことに他なりません。日本は精神科病床が過剰という国際的批判を受けて,国は社会復帰施設をつくり,精神障害者のをそこへ移させ,病床数が減ることを目論みました。しかし,精神科病床は減ることなく,本来地域で生活ができる人までも施設に取り込まれるようになったというのが実情です。今回のことも含め,「はじめに数合わせありき」は,インクルージョン(包摂)の理念にも背き,看過するわけにいきません。(H.)