報告

世界メンタルヘルスデイ
街頭キャンペーン

世界メンタルヘルスデー(世界精神保健デー,World Mental Health Day)とは,メンタルヘルス問題に関する世間の意識や関心を高め,偏見を無くし,正しい知識を普及するために定められた国際デー(記念日)のことです。

10月7日(日)10:00~14:00,高松市丸亀町壱番街ドーム北~高松三越前にて,標記プラカードを掲げ,啓発用シルバーリボンとチラシ175セットを配布しました。

「こころの健康」は誰のもの?10月10日は世界メンタルヘルスデーです。

シルバーリボンは,脳や心に起因する疾患(障害)およびメンタルヘルスへの理解を促進することを目的とした運動のシンボルです。

シルバーリボン

シルバーリボン運動は, 1993年に米国カリフォルニア州で産声を上げました。長男が統合失調症を患い,その病と周囲からの無理解や偏見に苦しんだジーン・リーシティ氏が,統合失調症に対する理解を求めて手作りの銀のリボンを配ったことが始まりです。

シンボルカラーが銀色(シルバー)となった理由は,どんよりした雲の隙間から差し込む来光が希望を含んでいるようで,その来光は銀色に輝いて見えるとのことから創設者のジーン・リーシティ氏が定めました。

マインドファーストが行う世界メンタルヘルスデイ街頭キャンペーンは,今年で3年目です。過去2年は,キャンペーン場所を高松市兵庫町西出口と高松駅エースワンサンポート高松店前としましたが,当初,今年は,参加者数の確保が充分見込めなかったことから,丸亀町壱番街ドーム北一か所としました。しかし,結果的には5名の参加があり,充実したキャンペーン活動を行うことができました。

以下は,参加者のレポートです。

やればできる!!            石橋みゆき

10月7日,世界メンタルヘルスデー街頭キャンペーンに参加。見ず知らずの行き交う人達に声をかけるのは大変緊張しましたが,少しでもメンタルヘルスへの誤解なき理解を広めたい一心で,配布してきました。

印象に残っているのは,外国の方達。この日,私が声をかけてみた外国の方が数人いましたが,みんな嫌な顔一つせず,逆に『ありがとう』という言葉をくれました。

ものすごく嬉しかったし,この『ありがとう』があったから,この日乗り切れた気がします。

あと,メンタルヘルスデーのパネルを首から下げて活動していましたが,シルバーリボンを受け取るまてはしなくとも,こちらを見て『メンタルヘルスデー?』と口にしていた人達が多くいたように思います。

このような活動を通して,言葉だけでも目にしていただく事,第一歩なのかな。とも感じました。

メンタルヘルスデー街頭キャンペーンに参加した事で,私自身得た事もあります。

意外と『やればできる!』そう思ったのです。

活動が始まるまでと言うか,前日も絶対自分には無理だ。配れない…。と不安で仕方なかったけど,いざ活動が始まると,私が配るのを見ていた仲間からの『good job!』のリアクション。ものすごく嬉しくて,不安は吹き飛びました。

参加は大事,やればできる!!


「心の健康」と「交通事故」        山奥 浩司

この表題を見て,ほとんどの人が「自分は大丈夫」,「自分には関係ない」,「どうせ他人事」と思われたのではないでしょうか。はたして本当にそうでしょうか。

「ネット社会」といわれる現代において「情報」は簡単に入手できます。私が一番危惧するのは「知らない」ことではなく「無関心」または「知らないフリをする」ということです。

以下に平成29年度の統計調査結果を記してみます。

確定総人口:126,706,000人[総務省統計局 平成29年10月1日現在]

自動車保有台数:81,260,206台(乗用,貨物,バス,特殊〔殊〕,二輪〔125cc以上〕)[国土交通省資料から]

交通事故発生件数:472,165件(自動車保有台数の0.58%)[警察庁資料から]←


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死傷者数:584,544人(確定総人口の0.46)〔内訳〕死者(事故発生時より24時間以内)3694人,負傷者580,850人[警察庁資料から]

精神障害者総数:約3,924,000人(確定総人口の3.09%)[厚生労働省患者数調査]

自殺者総数:21,321人(確定総人口の0.017%)[厚生労働省自殺対策推進室]

自殺は複数要因が絡み合うので断定はできませんが,精神疾患が主要因と考えられる事案:6,855人(精神障害者総数の0.17%)

いかがでしょうか。毎年,交通事故で亡くなる方の約5.77倍が自殺で命を落とし,うち3人に1人がなんらかの「心の病」が原因で自らの手で命を絶っている現実があるのです。リスク社会におけるリスク管理という観点から,「なにか」を感じ取っていただけたでしょうか。


シルバーリボン              吉田 修

10月10日水曜日は『世界メンタルヘルスディ』。というわけでチラシとリボンを配った。

目の日でもある。たしかに普段,自分の姿はなかなか見えないわけで,自分のことを見ようと思って,あえて見ようとするといろいろ工夫をしないといけない。

外に出るときは,ちらっとでも鏡に自分の姿を映して確認するだろうし,誰かに会う時もちらっと見たりする。しかし,自分のメンタルという,自分の本質というか心の問題についてちらっと気になったりしても,なんだかなぁと思う。そもそも見えないし…。

幽霊のように見えないのだから気にしないという態度もあるが,世界中で一日くらいは気にして見てみようということ。

精神科の先生と当事者の人が二人,そしてこの周辺をちょろちょろしている私とが,週末の人通りの多い三越前で配布した。

行きかう人を観察しているとなんとも面白い。関心をもって話しかけてくる人,いやもっと大変な問題があるんだと訴えてくる人,テレビで見たよって言って,家族で受け取ってくれた人。

こちらが首からかけていたフリップをしげしげと眺める人,何となく迂回して通り過ぎる人,待ち合わせで時間を持て余して受け取ってくれた人,自転車タクシーの運転手さん,何の疑問もなく受け取るイベント屋台の店員さん。

もし,毎週のようにこんなことをしていたら,どんな光景が見えてくるだろう。普段違うことをすると,何かが見えてくる。すこしだけ自分のメンタルが見えたような気がした。

第172回理事会報告

日 時:2018年10月15日(月)19時00分~21時00分

場 所:マインドファースト事務局オフィス本町
高松市本町9-3白井ビル403
事務連絡および周知事項,報告事項:省略
議事の経過の概要及び議決の結果

第1号議案

 高松市自立支援協議会精神保健福祉部会-ピアサポーターと精神保健福祉部会合同研修会に関すること:11月5日に開催される標記研修会について,岡本会員から説明があった。岡本会員が,ピアサポーター個人の資格でシンポジストとして参加し,マインドファーストの居場所づくり,ピアワークス,ピアサポートラインについて紹介することで了承された。

第2号議案 ユーザーの居場所作り事業に関すること:山奥,花崎両会員から,標記事業について説明があった。居場所「REPOS」を暫定的に12月から第1日曜と第2日曜に開催することで了承された。

第3号議案 2018年度テーマ募金連絡会に関すること:香川県共同募金会から,11月16日の標記会議について連絡があり,花崎会員が事前報告書の作成し,出席することで了承された。

第4号議案 東讃保健所の高校生対象の心の健康講座に関すること:志度高校3年生に対する標記講座に,島津理事長と山奥会員を講師として派遣するに当たり,事前に山奥会員から講座手順について説明が行われ,執行部としての助言を踏まえ派遣を行なうことで了承された。

第5号議案 理事・ファミリーカウンセラー合同会議に関すること:11月11日(日)13:30からレッツカルチャールームにおいて標記会議を開催することで了承された。

第6号議案 NPO認証取得10周年記念シンポジウムに関すること:2019年2月3日,標記シンポジウムを開催するにあたり,10月22日,第2回実行委員会を開催すること,並びに講師等については地元で活躍している人材を優先選考することで了承された。

第7号議案 平成30年度香川県地域自殺対策強化事業に関すること:標記事業の上半期の終了につき,理事長から説明があった。下半期に向けて自殺予防相談と「おどりば」の拡充が課題であることが確認された。

第8号議案 事務局業務に関すること:事務局業務の実情について理事長から説明があった。郵便物の受け取りや事務局電話の受信等が課題になっていることが確認された。


編集後記:世界メンタルヘルスデイは,1992年,NGOWFMH (世界精神保健連盟)が定めたものです。WFMHは,変化の目まぐるしい現代社会を生きる若者は,サイバー空間やゲームの世界に閉じこもりがちで,自殺や薬物依存など深刻なメンタルヘルスの危機にさらされている。にもかかわらず,若者は必要な支援との接点がないとして,2018年の世界メンタルヘルスデイは,健やかさを取り戻し,精神的しなやかさを高めるために,対話に焦点を当てたキャンペーンを行っています。(H.)