マインドファーストは,メンタルヘルスユーザー,家族,市民一般からなるNPO 法人で,臨床心理士・精神保健福祉士・看護師・保健師・医師及びその他の支援者の協力のもとに,メンタルヘルスの推進と心のケアシステムの充実に向けて活動を行なっています。
マインドファーストは,メンタルヘルスユーザー,家族,市民一般からなるNPO 法人で,臨床心理士・精神保健福祉士・看護師・保健師・医師及びその他の支援者の協力のもとに,メンタルヘルスの推進と心のケアシステムの充実に向けて活動を行なっています。
マインドファースト事務局:
〒760-0032 香川県高松市本町9-3白井ビル403
本誌に関するお問合せは下記へお願いします。
☎ 090-2828-7021
https://www.mindfirst.jp/
マインドファースト副理事長 柾 美幸
新年を迎えてはや一月が過ぎようとしていますが,皆様どのような新年をお迎えになられたのでしょうか?若い頃には,新年を迎えると,何かいいことが起こりそうな予感とか,今年こそは・・・,と気持ちを新たに引き締めて迎えたものでした。
年齢を重ねるごとにわくわくすることもなくなり,ここ数年間に大切な人を立て続けに亡くしたことも影響しているのか,一年ほど前から,めまい・目の焦点が突然合わなくなる・背中の痛み・呼吸をうまくできない・突然の不安etcこれまでに体験したことのない症状が出始めたのです。いずれも5分から10分ほどで治まるのですが,なんと厄介なことか。毎日毎日,手を替え品を替えといった具合で症状はあれこれと増えていくのですから,仕事も買い物も日々決死の覚悟です。
お正月休みは恒例の山にも行かず,じっと家に引きこもっていました。そんなお正月を過ごした私に,山の仲間からロッククライミングのお誘いがあったのです。初めはついていって岩場で一日のんびりもいいかなあ,というくらいの気持ちでしたが岩を目の前にすると「やっぱり登ってみよう」と思うようになりました。
岩に取り付いた瞬間,異世界へ・・・。そして思い出した!今思えば15年ほど前,何もやる気が出なくなって自分自身をもてあますような時期がありました。そのときも救ってくれたのは岩でした。楽しくて夢中で登ったものです。その時の事をすっかり忘れてしまっていたのです。
前回の不調のあと,病気になり,当時の主治医からは「前と同じように,好きなように生活してもいいよ。」といわれたにもかかわらず,主治医が変わると「山はだめです。標高の高い所は駄目。冬山なんてもってのほか!力仕事も駄目です。」と言われてしまった私は,死んだように生活をしていたと思います。(死にそうな山に行きたいのに・・・。)
今回私は,自分の中の『寄木細工のからくり箱』を開けた気分です。あの岩登りの日から不快な症状はなりを潜めています。不思議なくらい。決死の覚悟で日々の暮らしを続けるのであれば,自由に生活をすればよかったのだ,と今さらながら気づいたのです。何を恐れることがあろうか・・・。
人生は思いがけないことがいつ起こるかわかりません。つくづくそう思いました。そのための準備なんてできないし・・・。次の思いがけない事態に備えることができるとしたら,自分の傍にある『寄木細工のからくり箱』は必ず開く,ということを忘れないでおくことだと思っています。
ゲートキーパー普及啓発事業報告
香川県消防学校専科教育救急科
2019年1月31日(木),香川県消防学校専科教育救急科の生徒31名を対象にゲートキーパー普及啓発事業が行われました。マインドファーストからは,講師として島津と花岡を派遣しました。専科教育救急科に対する本研修会は,今回で3回目です。
主催者の香川県精神保健福祉センターの萬藤保健師
から,香川県の自殺の状況について解説があり,引き続き,マインドファーストから,「自殺予防の基礎を学ぶ~自殺予防のために私たちができること~」と題して,講義と演習が行われました。
講義では,「自殺とはなにか」「ゲートキーパーの役割」「自殺に関する神話」「自殺の防御因子」「気づきのポイント」「わたしは,なにができるのか?」「自殺が起きてしまったら」「自殺を考えている人の心理」などについて,解説を行ないました。
講義の後は,「生と自殺の間に架かる橋 -The bridge between suicide and life-」のビデオの供覧を行ないました。サンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジで,橋周辺で数百人の自殺志願者に対処してきた,カリフォルニア・ハイウェイ・パトロールに23年間努めていたケビン・ブリッグス氏のレポートです。
演習では,6つのグループに分かれ,ワールドカフェを行ないました。「現在の自殺について,何が問題だと思いますか?」「問題の解決のためにはどのような対応が可能ですか?」「あなた自身は何ができそうですか?」について,3ラウンド行いました。
(マインドファースト通信編集長 花岡正憲)
心の病から早く回復するための
プロジェクト募金
ご協力のお願い
私たちは,様々な事情で心の健康を損なった人達が,適切な支援を受けて一日も早く健康を回復するための活動を支援するといった活動を行っております。
活動の趣旨にご賛同いただける方に「寄付」という形で活動へのご支援ご参加をお願いする次第です。何卒,活動趣旨へのご理解と活動推進のための経済的なご協力を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます。
募金は下記のサイトからお願いいたします。
第175回理事会報告
日 時:2019年1月7日(月)19時00分~21時20分
場 所:マインドファースト事務局オフィス本町高松市本町9-3白井ビル403
事務連絡および周知事項,報告事項:省略
議事の経過の概要及び議決の結果
第1号議案 ユーザーの居場所作り事業に関すること:1月7日14時~16時の「REPOS」は,予定されていた参加者が見込まれないことから,休会とした。これについては,開催することに意味があることから,開催日には,予定通り開催することで了承された。
第2号議案 NPO法人認証取得10周年記念シンポジウムに関すること:理事長から,当日のタイムテーブルが示された。当日の役割分担等については,1月28日のファミリーカウンセラー会議で決めること,及び近日中に会場の下見を行なうことで了承された。
第3号議案 H30年度香川県地域自殺対策強化事業に関すること:ブロシュールの残部数を確認し,増刷することで了承された。
第4号議案 香川県共同募金会助成事業テーマ募金に関すること:共同募金会に寄付の中間報告を行うことを確認し,2月3日のNPO法人認証取得10周年記念シンポジウムにチラシを持参することで了承された。
第5号議案 ピアサポート活動のファクトシートとブロシュールの作成に関すること:花岡理事から,ピアサポート活動のファクトシートとブロシュールの原稿が示され,ブロシュール「ピアサポートプログラム」2,000部,ファクトシート「ピアサポートと回復」10,000部の印刷を発注することが承認された。
第6号議案 傾聴相談力セミナーに関すること:他の事業との時間調整を行なったうえ,開催場所をオフィス本町へ移すことが承認された。また,受講料に寄付金の意図を織り込んで口数で請求する議論が行われたが,寄付は税制上の優遇措置を受けられるため,寄付者にとって有利な寄付として別途お願いすることで了承された。
第7号議案 2月の理事会に関すること:2月11日(月)は祝日につき,2月4日(月)に開催することで了承された。
編集後記:困難はあるけれどやり甲斐がある。人は,そんな夢を持ち続けることができるでしょうか。夢を語ると,別の夢を持つことをすすめられ,おまけに,その実現方法まで押しつけられそうになることがあります。私たちの周りにいるのは,人が大切にしているものに対して敏感で,人の夢に寄り添える人たちばかりではありません。夢は脱価値化され,弄ばれるリスクがあります。「からくり箱」は,自分しか開けることができず,中に入っているものも自分しか知らないので,秘密箱とも呼ばれ,一定の操作を行わないと開かないように仕掛が施された容器です。人はそれぞれの「からくり箱」を持っていることが大切でしょう。夢は語り過ぎず,抱き続けるもの,そして,夢がかなうと誰が喜ぶか,ときどき考えてみると楽しい時間になるようなものでありたいです。(H.)