“リトリートたくま”

8月7日オープン

香川県健康福祉部子ども政策推進局子ども政策課の2019年度子ども・若者孤立化防止支援事業の助成を受けて,2019年8月7日に,三豊市詫間町に,子ども・若者の居場所 “リトリートたくま”がオープンします。

本事業は,児童虐待,いじめ,不登校,高等学校中途退学,非行,ひきこもり,若年無職,貧困など,社会生活を円滑に営む上での困難を抱える子ども・若者が気軽に集うことができる居場所づくりを促進し,このような子ども・若者の社会の中での孤立化を防止することを目的とするものです。

「リトリート」とは,仕事や家庭などの日常生活を離れ,自分だけの時間や人間関係に浸ることができる場所のことです。さまざまな事情により社会生活を営む上で生きづらさを抱え,不登校や中退・ひきこもりの状態にあり,学校や職場などの地域社会から孤立している若者にとって安心できる場所を提供します。

それぞれが安心できる居場所として実感してもらうために,メニューは決めず,参加者のニーズにより柔軟に対応していきます。

“リトリートたくま” とは

1.現在自宅から出られなくなっている人に対してサポートする体制があります。

  • 本人に対して…電話相談「ピアサポートライン」で対応が可能です。
  • 家族に対して…ひきこもり家族のグループミーティング「おどりば」やフォークス21の個別相談,アウトリーチ,同行援護でサポートいたします。

2.人材が豊かです。

以下のような者がスタッフを務めます。

・メンタルヘルスユーザー
・教職経験者
・アーティスト
・精神保健福祉士
・スクールソーシャルワーカー

必要に応じてマインドファーストのファミリーカウンセラーがサポートします。

3.近隣と良好な関係があります。

  • 花好きの近隣の人が庭の手入れを手伝ってくれるなど,ゆるやかな交流があります。

4.アクセスが便利です。

  • JR予讃線詫間駅から,1.5キロ(徒歩20分程度)
  • 三豊市コミュニティバス(「JA詫間支店」下車)が利用できます。

バスは観音寺市,琴平町,善通寺市からも出ています。

運賃は,目的地まで100円です。

5.賛同者を募集し,マインドファースト独自の寄付金活動も行っています。

◇リトリートたくまの特徴◇

メンタルヘルスユーザー,家族,一般市民を中心とし,臨床心理士,精神保健福祉士,保健師,看護師,医師及び教員免許保持者等によるサポート体制があります。

参加しづらい人に対しては,当法人の活動を生かし,電話相談「ピアサポートライン」や対面型相談,同行援護,アウトリーチなど当法人相談事業部「フォークス21」の事業と連携し,個々の事情にそったサポートを←


→行ないます。

家族に対しては,家族の孤立化を防ぐために引きこもりに悩む家族支援のためのグループミーティング「おどりば」との連携を行ないます。

運営団体 特定非営利活動法人マインドファースト
居場所の所在地及び交通アクセス 住所:三豊市詫間町詫間677-11
交通手段:JR詫間駅徒歩20分/コミュニティバス「JA詫間支店」下車3分
問い合わせ先 電話 090-9455-9164
E-mail info@mindfirst.jp
対象者 子ども・若者とその家族
開設予定日 2019年8月7日
開設頻度 週1回
開設日及び開設時間 毎週水曜日 13:00~15:00
スタッフ メンタルヘルスユーザー,精神保健福祉士,教職経験者,アーティスト,スクールソーシャルワーカー
ホームページ https://www.mindfirst.jp/

あらためてインクルージョン(社会的包摂)を考える

れいわ新選組から参院議員に初当選したALS患者の舩後靖彦(ふなご・やすひこ)さんと重い障害のある木村英子さんが8月1日,国会に初登院した。木村さんらが利用している「重度訪問介護」は,障害者総合支援法に基づき公的補助が受けられるが,働いている時間などは対象外になっている。そこで国会内での介護費用は,当面参議院で持つことになった。

このことを受けて,日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)は30日,重い障害のある議員2人の介助費用について「どなたにも適用できるよう制度全体を変えるならいいが,国会議員だからといって特別扱いするのは違う」と述べ,自己負担で賄うべきだとの考えを示した。松井氏は「国会議員は高額所得でスタッフも付く。政治家は個人事業主だから,事業主の責任(費用支出)で対応すべきだ」と主張している。

障害者基本法には,障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進することを目的として,国,地方公共団体等の責務と障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項が定められている。松井氏の発言は,党首としても,自治体の首長としても,この基本原則にもとる発言だと言わざるをえない。

さらに,障害者総合支援法は,主として施設から地域における生活に移行するために必要な支援を定めたものである。ここで言う地域における生活とは在宅や施設通所であって,就労は想定していない。社会経済活動への参加の方法や内容が変われば,受ける支援の量も質も変化して当然であろう。健常者が作る障害者施策とは,固定観念にとらわれて硬直化したものになりやすい。だからこそユーザーでもある障害者自身が,議員となり,障害者施策に関与していくことに意義があると言えよう。

この機会にさらに発想を広げておくことも大切だ。ITの時代に,勤務が議場への出勤(登院)という形をとる必要が必ずしもあるのかどうかだ。議員活動におけるテレワーク(在宅勤務)の可能性を検討することも迫られているのではないかと思う。

(マインドファースト通信編集長 花岡正憲)

第183回理事会報告

日 時:2019年6月24日(月)19時00分~21時20分
場 所:マインドファースト事務局オフィス本町 高松市本町9-3白井ビル403
事務連絡および周知事項,報告事項:省略
議事の経過の概要及び議決の結果

第1号議案 理事間のメール連絡に関する事項:新理事に,パソコンメールを受信できる設定を依頼することで承認された。

第2号議案 各理事の事業担当に関する事項:各事業の担当理事が承認された。

第3号議案 理事の補充に関する事項:上限3名の理事を補充し,事業の充実を図ることで承認された。

第4号議案 障害者施設職員と利用者の「ぴあワークス」の見学に関する事項:「見学」が目的であるため,普及啓発担当理事の花岡が対応することで承認された。

第5号議案 「ぴあワークス」「ピアサポートライン」に関して,手紙でのやり取りの希望に関する事項:小豆島で新たに活動をしたいという趣旨であるため,普及啓発担当理事として花岡が対応することで承認された。

第6号議案 「リトリートたくま」開設準備に関する事項:ファミリーカウンセラー会議において協議することで承認された。

第7号議案 AIYAシステムとのホームページ管理料の契約見直しに関する事項:審議未了。

第184回理事会報告

日 時:2019年7月8日(月)19時00分~21時30分
場 所:高松市四番丁コミュニティセンター 高松市番町二丁目3-5
事務連絡および周知事項,報告事項:なし
議事の経過の概要及び議決の結果

第1号議案 ユーザーの居場所作り事業に関する事項:7月6日の居場所「REPOS」は,初めての試みとして,イオン高松3階のフードコートで開催した。開催時間は,14時から16時,参加者は1名の家族を含めて5名であった。次回「REPOS」も,丸亀町レッツ3階のフォワイエで行う予定。理事会としては,こうした出前での居場所の運営の試みを行うことで了承した。

第2号議案 子ども・若者の居場所「リトリートたくま」に関する事項:8月7日オープン予定の「リトリートたくま」について,運営要綱(案),委託契約書(案)及び施設賠償責任保険について協議を行なった。7月10日(水)13:30~15:30,現地においてスタッフ打ち合わせ会を持ち,事業説明を行うとともに事業従事者と当法人との間で委託契約を締結することが承認された。また,「リトリートたくま」の手渡し用チラシを作成することが了承された。居場所として使用する賃貸借物件の賃貸借料に,光熱水道代金を共益費として組み入れることで了承された。

第3号議案 傾聴相談力セミナーのブロシュールの作成に関する事項:担当理事から案について説明があったが,理事者の意見集約を行なうために,ワード版のブロシュール案を理事メーリングリストで送信することで了承された。

第4号議案 「こころの健康出前講座」に関する事項:香川県障害福祉課所管分について,教育現場への周知を行なうために,担当者から講義のベースとなる周知用パワーポイントスライド(PP)を提出して欲しいとの依頼があったが,先に提出した「趣意書」を活用するよう依頼し,新たに周知用PPは作成しないこととした。保健所所管分については,三木高校並びに寒川高校から,出前講座依頼が出ていることを確認した。

編集後記:リトリート(retreat)とは,避難所,静養所,隠れ家などと訳されます。ともすれば自分を見失いがちな現代人にとって,世俗的な営みから,一時的にひきこもる,あるいは撤退する時間を持つことは,とても大切なことだと思います。8月7日にオープンする“リトリートたくま”が,メンタルヘルス問題からの回復だけでなく,休養,沈思黙考,自然との対話,創造的活動など,人それぞれのブレイクタイムを提供できる空間になることを願っております。(H.)