報告

香川県自殺対策連絡協議会

マインドファースト理事 吉田 修

さる9月5日(木)県庁で行われた香川県自殺対策連絡協議会に参加いたしましたのでご報告いたします。

(1)香川県の自殺の現状について(抜粋)

  • H30年の自殺者総数は157人,内男性119人,女性38人であった。平成25年から香川県の自殺者は減少傾向にあり,全国的な自殺者の減少傾向に呼応しているとみられる。また,人口10万人当たりの自殺者数としても全国平均をやや下回る状況とのこと。
  • 年齢階級自殺者数の推移としては,男性30代の自殺が対前年比で増加しており,女性では50代で増加している。男女比で言えば,3:1程度で男性が多い。

(2)自殺対策計画について(抜粋)

  • 計画の基本的な考え→「誰も自殺に追い込まれることのない香川」を目指す
  • 数値目標としては2022年までに12%の減少,2026年までに20%の減少を目指す
  • 「生きることの阻害要因」を減らし,「生きることの促進要因」を増やす。
  • 「対人支援」・「地域連携」・「社会制度」の各レベルを連携し,「事前対応」・「危機対応」・「事後対応」の時系列的対応を行うとのこと。
  • 自殺対策に係る人材の確保,養成及び資質の向上を図る。
  • 心の健康を支援する環境の整備と心の健康づくりを促進する(職場でのメンタルヘルスの推進等)。

(3)報告・質疑応答

  • 報告
  • 参加各団体から,人材の養成・資質の向上等を行っている旨の報告が相次いで行われた。
  • 例:香川産業保健総合支援センター・香川大学・グリーフワークかがわ・マインドファースト等
  • 各レベルでの相談窓口の充実を行っている旨の報告が行われた。
  • 質疑
  • 自殺に至るまでの具体的な事例の検討が必要。また自殺未遂の統計調査が求められる。
  • 職場でのメンタルヘルスの推進において重要な役割を担っている「産業カウンセラー」についての記載が全く見られない。県の見解としては,ゲートキーパーになり得る存在として位置付けているとのことだが,職場でのメンタルヘルスに関する普及啓発活動を行っている点からして,単なるゲートキーパーとは異なる点をどう捉えているかについては,明確な回答はなかった。
  • 香川産業保健総合支援センターでは,職場の人事労務担当者や保健師などの産業保健スタッフに対する支援を行っているとのことだが,産業カウンセラーについては中抜きされている印象がある(回答なし)。
  • いわゆるゲートキーパーの養成や相談窓口の拡充についてという受け入れ体制は計画案に盛り込まれているが,では,相談をおこなう側への相談姿勢や相談窓口の選択方法などについての教育が行われているかとの質問に対して,義務教育課からスクールカウンセラーの現状報告があり,開始当初に比べるとかなり認知と利用が進んでおり,文科省の対策要綱に則して教育効果が上がっているとの回答を得た。しかし,相談力についての教育,支援要請行動における具体的な阻害要因についての対策は行われていないとのこと。

(4)当法人の有り得る方向性

  • 援助要請行動としての相談にフォーカスした取り組みの必要性を改めて感じ,積極的に取り組みたいと考える。←

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報告

自殺予防啓発キャンペーン

マインドファースト理事 山奥 浩司

  1. 日時:2019年9月10日(火) 11:20~12:30
  2. 場所:丸亀町壱番街ドーム広場内中央黒レリーフ(直径17メートル)
    参加者:15名(県障害福祉課,精神保健福祉センター,高松市保健センター,グリーフワークかがわ,いのちの電話相談,マインドファースト)内チラシ配布者12名
  3. 配布部数:970部
  4. 内容概要:黒レリーフ周辺で通行の人達に障害福祉課作成のチラシとマインドファーストブロシュール(フォークス21,サバイビング)配布。
  5. 感想
    • 平日昼間で通行人が少ないわりには配布者の数が多かったため1時間で終了。
    • 使用許可が黒レリーフ内に限定されていたが,参加者各々が丸亀町,兵庫町,片原町,三越方面へとレリーフ外に分散して積極的に通行人に声をかけチラシ配布を行った。
    • 緑色のジャンパー着用は目を引くが,反面避ける人もいた。
    • 当日のドーム下の気温が32度あり,配布者全員全身汗だく(せめて半袖またはタスキでは?,マスコットキャラクターの「きーもん」の着ぐるみ内はおそらく40度超)
    • 若い世代(カップル,ベビーカー使用のファミリー,同性同士のグループ,サラリーマンやOL)は完全無視が多く,高齢者の人達はチラシを受け取るだけでなく,立ち止まって配布者に質問したり話し込むなど世代間の温度差を強く感じた。
    • 私が話した高齢女性は,息子が職場で上司からいじめにあっているが相談場所がわからない,子どもの虐待虐待事件に胸が痛むとともに若い親が子どものしかり方を知らなすぎる等社会的問題への意見を述べられた。
    • 外国の若い人達にも声をかけたが,ニッコリ笑顔で手を振りながら「No Thank You」という反応で,日本の若者のようなまるで視界に入ってないかのような反応とは全く違った。
    • チラシは受け取らないがきーもんとはピースサインで記念写真(きーもんヤルね)
    • 当事者にならないと気付かない,痛み.苦しみ.悲しみを教訓とし活かせない,共感できない➡「予防」という意識が芽生えない,定着しない?
    • マインドファースト主催の10月6日世界メンタルヘルスデー街頭キャンペーン実施に向けての留意点がたくさん学べた。

第186回理事会報告

日 時:2019年9月12日(木)19時00分~21時00分
場 所:マインドファースト事務局オフィス本町 高松市本町9-3白井ビル403
事務連絡および周知事項,報告事項:省略
議事の経過の概要及び議決の結果

第1号議案 ユーザーの「居場所づくり事業」に関すること:冊子『香川県の精神保健福祉』に「REPOS」の連絡先を掲載するに当たり,これまでの山奥の携帯電話番号から「REPOS」専用の電話番後に変更することで了承された。

第2号議案 リトリートたくまに関すること:県の規定で,交通費の上限支給額は1,000円と定められている。スタッフのうち1名の旅費が,2,200円となっているため,不足分の1,200円は,香川県共同募金会テーマ募金で対応することで了承された。

第3号議案 ファミリーカウンセラー認定審査に関すること:9月9日に締め切られたが,4名申請があった。9月22日(日)並びに9月29日を面接審査日として調整を行なうことで了承された。

第4号議案 理事・ファミリーカウンセラー・ピアサポーター合同会議に関すること:10月13日(日)13:30~15:00,丸亀町レッツカルチャールームにおいて,新規ファミリーカウンセラーとして認定され登録を受けたものを含めて標記会議を行うことで了承された。

第5号議案 世界メンタルヘルスデ―に関すること:10月6日(日)10:00~14:00,高松駅頭からサンポート前の横断歩道の間で行うことで了承された。そのため,近日中に所轄警察署へ道路使用申請を出すことで了承された。アウエアネスリボンとは別に,リボンをつけた栞を作成し配布することが了承された。栞には,会員の石橋さんからサンプル写真として提示された3種の原画のうち2種を採択し,栞の作成も石橋さんに依頼することで了承された。

第6号議案 傾聴・相談力セミナーのブロシュールに関すること:納品されたブロシュールの配布先と配布方法について議論が行われた。企業の人事担当者も対象に含め,今後送付先等を検討することで了承された。

第7号議案 「こころの健康出前講座」に関すること:11月29日,三木町の保健師,社会福祉士などを対象とした標記研修は,ファミリーカウンセラーの杉山洋子が対応することで了承された。

第8号議案 出張「おどりば」に関すること:琴平町福祉課から,「おどりば」の出張グループワークの依頼があったが,費用負担等の詳細を確認することで了承された。

第9号議案 テレビせとうち 「マイベストプロ香川」からの申し出に関すること:有料広告サイトへの勧誘があったが,現状では見合わすことで了承された。

第10号議案 認定NPO法人の更新申請に関すること: 2020年4月22日を期限とする認定NPO更新申請手続きの準備をはじめること,また,随時岡山の清水税理士事務所のコンサルテーションを受けることで了承された。

編集後記:先月号で触れました国際芸術祭の企画展「表現の不自由展・その後」が中止になった問題を巡り,検証委員会は25日,「条件が整い次第,速やかに再開すべきだ」とする中間報告をまとめました。こうした中で,文化庁は26日,同芸術祭への補助金約7800万円を交付しない方針を固めました。愛知県が補助金を申請した際,交付審査に必要な情報が文化庁に申告されず,手続き上の不備があったと言うのが理由です。この段階での補助金の打ち切りは,先の組閣で任命された文科大臣の官邸への忖度だと言う見方もされています。いずれにしても,こうしたやり方は,憲法21条に定められた「検閲の禁止」違反になりかねず,今後の表現の自由における委縮効果を懸念する声が少なくありません。「あいちトリエンナーレ2019」実行委員会会長の大村知事は,国を訴える考えです。民主主義にとって最も大切な表現の自由の実現と言う観点から,寄付を募り,規模を縮小してでも再開すると言う市民社会の意思を示すことも大切だと思います。(H.)