マインドファーストは,メンタルヘルスユーザー,家族,市民一般からなるNPO 法人で,臨床心理士・精神保健福祉士・看護師・保健師・医師及びその他の支援者の協力のもとに,メンタルヘルスの推進と心のケアシステムの充実に向けて活動を行なっています。
マインドファーストは,メンタルヘルスユーザー,家族,市民一般からなるNPO 法人で,臨床心理士・精神保健福祉士・看護師・保健師・医師及びその他の支援者の協力のもとに,メンタルヘルスの推進と心のケアシステムの充実に向けて活動を行なっています。
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世界メンタルヘルスデー
街頭キャンペーン
世界メンタルヘルスデーの街頭キャンペーンに参加して
福井美里
今回初めてキャンペーンに参加して,まず,どのように声をかけて渡したらよいかから悩んでしまいました。行き来される方に一人一人声をかけて,チラシを手にとって貰い,関心をもってもらうのは,簡単なことではないのだなと改めて思いました。受け取った方が,読んでいる姿を見ると嬉しかったです。
「こころの健康」とはなんだろうと私なりに改めて考えました。私達は,家族と暮らし,社会生活の中で,色々な人と関係を築きながら生活しています。毎日の生活においての,大切な家族との対話や身近な人との関係,社会生活の中の自分,色々な事が相互関係しながら,こころの健康につながっており,そういうものから作られていると思います。
毎日の何気ない暮らしやこころの健康は,当たり前に作られていないこと,ちょっとしたきっかけで簡単にくずれたりしてしまうこと,良くも悪くも左右されるものだと思います。自分の身の回りで起きる大きな出来事や,近年の大きな災害やコロナ禍から社会生活の大きな変化から,実感される方も多いのではないでしょうか。
「メンタルヘルスデーにしたい7つの素敵なこと」は,暮らしの中で何気なくしていることです。まずは,意識しながら実践してみませんか?こころのリフレッシュやリラックスにつながることを取り入れていき,自分のリフレッシュ方法を探してみる。よりどころにしている事や物を持つことは,自分を助けてくれます。不安や悩みがあるときは,自分だけで抱え込まず,周りの人に話を聞いてもらうことも大切です。
チラシを手に取った方が,メンタルヘルスに関心を寄せて,ご自身のこと,家族や身近な方のこころの健康について,改めて考える機会になると嬉しいです。当たり前にある時は,その大切さに気付きにくいものです。我が事として,意識や関心を持つことは,世間の偏見をなくし正しい知識の普及につながると思います。そして,私も街頭キャンペーンに参加して,改めて考え思う貴重な体験となりました。ありがとうございました。
伝えるということとチームの力
柾 美幸
大勢の人がいる場面が苦手な私ですが,街頭キャンペーンに参加しました。心の健康ってとっても大事なんだよ。と,一人でも多くの方に知っていただきたくて。
とても素敵な役に立つ内容のチラシを手に高松駅前広場に立ったものの,なかなか道行く人のお手元に届けることができず複雑な気持ちでした。それでも「世界メンタルヘルスデ―」というものがあるということを知っていただくことが目的なんだ,と気を取り直して・・・。でもチラシを手に持っていると,受け取ってもらいたい。堂々巡りです。そんな時,理事長の良く通る声で「10月10日は世界メンタルヘルスデ―です」「シルバーリボンキャンペーンを行っています」「コロナと心の健康について・・・」にわかに元気が出てきます。おおこれがチームだ!と感動しました。
目の前のことばかりに目を奪われて,ちょっぴりムキになりそうだった自分が可笑しく,見知らぬ人々に大切なことを伝えようと思っているのに,こちらが余裕なくムキになってどうするんだ。もっと落ち着いて,私たちのチームの強みを生かさなくてはと感じた一日でした。
伝えたいという目的とは別のことに気づいて,とても得をした気分です。
「世界メンタルヘルスデー」街頭キャンペーンに参加して
森本雅榮
街頭キャンペーンへの参加は去年に引き続き2回目です。コロナ禍の中,高松駅前は,昨年よりは賑わいは減っている気がしましたが,「さぬきマルシュinサンポート」のイベントに出掛ける人たちが多くいたことは幸いでした。老若男女が数人の塊となって三々五々行き交っていました。曇り空の中,華やかな服装のカップルに目を奪われたり,他県から来た人に「美味しいうどん屋はどこ?」と声を掛けられたり,不思議そうに見る子供たちに目で笑ったりして,華やいだ気分になりました。
心の健康は変わらぬ日常を心がけることだと思って過ごしていました。今回は新型コロナウイルスによるインフルエンザというよく分からない感染症のため不安な日常になりました。新聞やテレビに接すると,日々変化し吸収できない多くの情報で一向に落ち着きません。振り返れば友だちと会うことを止め,旅行や食事を控えて最小限の外出のみしていたことに気づきました。最近,どこが悪いというでもないが心に薄いベールが掛かったようでした。半年経って,この病気への対処法も解明されつつあるようですがそれでも一旦入ったマイナスの情報はなかなか消えません。
道行く人に「10月10日は世界メンタルデーです」「シルバーリボンの日です」「心の健康の日です」「コロナの情報もあります」と大声を出して呼びかけます。自分の中にあった得体の知れないモヤモヤが薄れていく感じです。
大声に反応してチラシを受け取る人,振り向く人,立ち止まる人,素通りする人などさまざまです。チラシを受け取る場合も,さっと受け取る人,振り向いてちらっと見て受け取る人,関心のある様子で「ご苦労さま」と声を掛けて受け取る人など。素通りする場合も,目を伏せながら足早に立ち去る人,断りのジェスチャーで手を横に振る人,「うちは関係ありません」とはっきり言う人,「今日は10月4日だよ」と後ろ向きに立ち去る男の子など。キャンペーンの大声に対しても人は本当にさまざまな姿を見せてくれます。
チラシとシルバーリボンのセット250組がいつの日か「心の健康は私のもの」として実を結ぶことを祈っています。
オンラインでなく,実際に外に出て人と接し,声を出すことの心地よさを感じた1日でした。
所変われば品変わる ~「メンタルヘルス(こころの健康)」は他人事?~
山奥浩司
「世界メンタルヘルスデー」街頭キャンペーンへの参加は一昨年以来の二度目。前回との大きな違いは二点。
駅前広場に到着しての第一印象「人が少なっ!!」次に「キャンペーン活動できるのか?」という心配。定刻になりキャンペーン開始。キャリーバッグと携帯を手に駅に向かう人,駅から出てタクシー乗り場やバスターミナルに向かう人,イベント会場に向かう人。どの人もマスク姿で両手に荷物で足早に目的場所に直行。「声をかけてくれるな」オーラを全身にまとっている(と感じた)。軽い会話を交わす中で「こころの健康の重要性」や「世界メンタルヘルスデー」の意義,「COVID-19と心の健康」について少しでも興味・関心を持ってもらえたら,と幅広い世代に声かけ開始。以下,返ってきた言葉を並べてみる。
「心の健康より身体の健康が心配」「今健康ですから」「県外の人間なんで」「コロナになったら地域で生活できんようになる」「急いでるんで」「おなかの中の赤ちゃんが心配」「子どもが小さいのでシルバーリボンの安全ピンが危ない」「メンタルヘルスデーってなんな?」
「香川県だけの行事な?」「酒飲んでタバコ吸って好きなことして人生楽しく生きんと損や」
「コロナで自殺する人が多いなあ」「ご苦労様です」「なにか寄付せないかんのな?」「たいへんなことしよるのー」「チラシ,家で読んでみるわ」。
皆さん,コロナについての関心は強いのかな?と感じたけれど,「コロナへの漠然とした恐怖感」に支配され,そのことにより「心の健康」が損なわれていく,という一連の負の流れに気付いているのかな,と疑問符。また「ソーシャルディスタンス」が声高に言われているためか,人と人との繋がりを拒否したり全くの無関心とも受け取れるような行動の人が多くなったなと痛感した。
「世界メンタルヘルスデー」と全く無関係ではないけれど,私の中では「コロナ」に始まり「コロナ」で終わった消化不良感が否めない街頭キャンペーンだった。
編集後記:世界メンタルヘルスデイキャンペーンに参加した一人として,COVID-19の影響もあるのでしょうか,街頭に立つと人々の健康問題への関心の広がりが伝わってきて,例年にない手ごたえを覚えました。パンデミック(世界的流行り病)は,人々の日常性を大きく揺さぶります。4人に一人がメンタルヘルスを病む時代, WHOの報告では,既に2001年の段階で,あらゆる健康障害による社会経済的損失のうち,メンタルヘルス関連障害が占める割合は,感染症に次いで第2位,先進国ではトップになっています。こうしてみると,メンタルヘルス関連障害こそ,21世紀社会における長年に及ぶパンデミックと言えるでしょう。議事録は次号に掲載いたします。(H)