マインドファーストは,メンタルヘルスユーザー,家族,市民一般からなるNPO 法人で,臨床心理士・精神保健福祉士・看護師・保健師・医師及びその他の支援者の協力のもとに,メンタルヘルスの推進と心のケアシステムの充実に向けて活動を行なっています。
マインドファーストは,メンタルヘルスユーザー,家族,市民一般からなるNPO 法人で,臨床心理士・精神保健福祉士・看護師・保健師・医師及びその他の支援者の協力のもとに,メンタルヘルスの推進と心のケアシステムの充実に向けて活動を行なっています。
マインドファースト事務局:
〒760-0032 香川県高松市本町9-3白井ビル403
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☎ 090-2828-7021
https://www.mindfirst.jp/
「リトリートたくま」
三豊市との意見交換会報告
マインドファースト理事 柾 美幸
子ども・若者の居場所「リトリートたくま」を開設して,はや2年が過ぎました。週一回の開催とはいえ,スタッフそれぞれが職業を持ち,人材のやりくりをしながらの運営のため,あっという間の2年です。
開設からたくさんの方々が関心を持ってくださって,多くの方が訪問してくださっています。市役所の福祉課の方,子育て支援課の方,社会福祉協議会の方,各種NPO法人の方など,NPO法人マインドファーストの活動は,県内全域を意識して展開していますが,どうしても高松市に集中することが多く,リトリートたくまが立地している三豊市役所へ当法人から活動の紹介とご挨拶に伺うことが遅くなってしまいました。
担当課長にお電話をしたところ「関係者を集めておきます。」とのお返事。三豊市の子どもたちや若者たちに関する福祉への前向きな姿勢を強く感じました。
8月24日(火)15:30~16:30三豊市役所4階会議室,この予定が決まるまでに何度も課長とのやり取りがあり,三豊市役所子育て支援課4名と福祉課4名そしてリトリートたくまからは責任者草薙・スタッフ八杉・山奥そして事務局柾の4名がテーブルに着きました。行政の方がこんなに大勢で参加してくださったことに感動を覚えました。
先ず,リトリートたくまがオープンして,これまでの2年間の報告を行い,その後三豊市へ4つの質問をいたしました。①不登校・引きこもりに関する市の考え方(取り組み)。②財政に関する支援制度について。③市単独で新たな制度の創設について。④ヤングケアラー問題に関する市の考えについて。当方のこの質問を受けて一つ一つ丁寧にお答えいただきました。
①について,「三豊市子育て世代包括支援センターなないろ」を開設し,妊娠期から子育て期(18歳まで)にわ
たっての様々な相談,必要なサービスの紹介や支援が受けられるようにしている。また行政ができることには限界があるので,民間との連携を重視し強化していきたい。特に学校から離れた人に対する支援をリトリートたくまと一緒にすすめたい。
②,③について,今のところ,市単独の民間への助成制度はないが,今後民間との連携を重視し,検討を進めていきたい。
④について,具体的な実態の把握がまだできていないため,調査を進めていく。
その後の意見交換においても,参加者全員(12名)が,皆さん発言をし,三豊市を良くしたいという思いが伝わってくる会でした。一部お伝えすると,
今回,大勢が集まったということは,未来に向けてのそれぞれの期待があったと思うが,そこで語られたことは型にはまったものばかりではなく,そこで暮らす一人の人としての意見や思いがあったように思いました。しかし私はこの会議でコーディネーター役を自ら取ったにもかかわらず,その一つ一つを丁寧に拾い上げることができなかったのが非常に残念であり,勿体ないことをしたなと思っています。
行政の立場の人たちと我々NPO法人で活動している者など,社会的な立場の違うものが話し合うときに,そういった次元を超えた対等性を実現するためには,例えば,リトリートたくまで肌で感じたものを語ったとき,話を聴くことで,参加されていたそれぞれの心の中に何かしらの思いが巡っていたはずであり,そこをもっと皆さんに「どの
ように感じたか」を語っていただいていたならば,聞き手がより実体験に近いものとして心に残っていたのだと思います。
今回のように大勢での話し合いは大変うれしく,日程調整が難しくて課長にはお手数をおかけしましたが,次回もぜひ,この顔ぶれで意見交換ができればと思っています。
皆さんホッとしたい時「私たちの隠れ家」におこし下さい。
ゲートキーパー普及啓発事業
藤井中学高等学校
マインドファースト理事 森本雅榮
2021年8月25日 藤井高等(中)学校教員40名を対象にゲートキーパー啓発活動が行われ,マインドファーストから講師として森本が派遣されました。
当初,藤井高等(中)学校での講演が予定されていましたがコロナウイルス感染予防のため急遽オンラインでの講演となり,森本は精神保健福祉センターに赴きました。学校側も初めてのことで双方とも戸惑いながらのスタートとなりました。
主催者の香川県精神保健福祉センターの保健師大森小百合講師から,香川県の自殺の状況について解説があり,引き続き,マインドファーストから,「自殺予防の基礎を学ぶ~自殺予防のために私たちができること~」と題して,講義が行われました。
最初にゲートキーパーと4つのステップ「気づく」「かかわる」「聞く」「つなぐ」「見守る」を説明し,学校現場においでる先生方は既にゲートキーパーですので本日のこの場はブラッシュアップの場と考えていただきたいと話し始めました。一般に根拠もないのに長く信じてきたことを神話と言い,自殺に関しても長く信じられてきた神話があります。先ずは意識改革が必要ですと伝えファクトシート「私たちにできること 神話10の間違い」を解説しました。今回は大森講師に神話と真実を読んでいただき,その後に,森本が1つ1つ具体的に解説を行いました。
次に,中学・高校生は「自分とは何者であろうか?」と自分探しをする時期ですので,生徒をよく観察して普段と違う行動に気づきましょう。普段と違う行動は生徒の心に不安や怒りなどの感情が渦巻いているサインです。行動は憶測とか態度ではなく,話していること,していることで判断しましょう。生徒が普段と違うことに気づいたら,「いつもと違うように見えるがどうしたの?」とまず声をかけて,かかわりましょう,そして聞きましょう,と続けました。
日本語の「聞く」には色々な意味があるが,ゲートキーパーの「聞く」は傾聴のことで,英語では「active listening」と言います。傾聴に関しては,カウンセリングの基本的5つの技法を具体的に解説しました。そして最後に問題を抱え込み過ぎずにチームで支援し,専門家に繋ぎましょうと締めくくりました。
初めてのオンラインでの講演でしたのでとても緊張し,時間も予定より少し過ぎてしまいました。話が十分に伝わったかどうかが心配です。コロナウイルス感染が下火になって演習を交えての講演を行えることを期待しております。
第211回理事会報告
日 時:2021年9月13日(月)19時00分~21時00分
場 所:マインドファースト事務局オフィス本町 高松市本町9-3白井ビル403
事務連絡および周知事項,報告事項:省略
議事の経過の概要及び議決の結果
第1号議案 会計に関すること:島津理事長から会計報告があり,了承された。
第2号議案 「マインドファースト」ブロシュールの作成に関すること:入会申し込み用紙は残部があるため三つ折り部分のみ2,000部増刷することで了承された。
第3号議案 「居場所づくり事業」に関すること:①REPOS:9月5日及12日に開催された。運営委員を会員を含めて募集をするため,マインドファーストの会員にREPOSのビジョンを広く知らせることで了承された。②リトリートたくま:リトリートたくまの運営母体であるマインドファーストの活動を理解してもらうために毎月発行しているMF通信を,毎月三豊市役所を訪問して手渡す。8月の意見交換会の報告について,早めに記事にして届ける。9/15(水)今年度第1回目コンサルテーションを開催することで了承された。
第4号議案 令和3年度募金(4年度助成事業)テーマ募金に関すること:山奥が提出したことで了承された。
第5号議案 香川県NPO基金登録団体のPR原稿の作成依頼に関すること:変更なしで連絡をすることで了承された。
第6号議案 認定ファミリーカウンセラー資格認定審査に関すること:申請者2名を9/19(日15:00)~15:20と15:30~15:50に島津と柾が対応することで了承された。
第7号議案 世界メンタルヘルスデーに関すること: 10/3(日)10:00より発送作業(チラシ2枚とシルバーリボン入り袋をホッチキスで止め,封筒に入れる)を行うことで了承された。なお,発送先の名簿は柾が確認し,今年度はクロネコメール便で発送するために,発送用封筒の準備をAIYAシステムに依頼することで了承された。
第8号議案 義農大賞に関すること:当法人は募集対象には当たるが今回は見送ることで了承された。
第9号議案 ファクトシート「パンデミックと心の健康」(仮)の作成に関すること:COVID-19に関しては,まだ十分なエビデンスが揃っていないこともあり,当初予定の「パンデミック」にとどまらず,災害全般ととらえ,表題(仮)を「災害と心の健康」あるいは「災害とストレスケア」とすることで了承された。
第10号議案 トイレの前の衝立に関すること:襖を取り外してワンルームとしたためトイレを使用しにくくなった。利用し易いように衝立を山奥が用意することで了承された。
編集後記:バブル崩壊後の「失われた10年」に社会に出た若者世代に多いフリーター,ニート,ひきこもり,派遣労働者,就職難民たちを総称して「ロスト・ジェネレーション」と呼ぶことがあります。コロナ禍で喪失を経験した子どもや思春期世代の人々が,その後どのような心理社会経済的影響を被るか,数年から10数年にわたるコロナロス・ジェネレーションの追跡調査が欠かせません。とりわけパンデミックと言う広域災害下では,心理社会経済的に脆弱な階層への支援,そしてそうした階層を作ってしまう人災を避けること,これが政治の役割であることは言うまでもありません。(H)