マインドファーストは,メンタルヘルスユーザー,家族,市民一般からなるNPO 法人で,臨床心理士・精神保健福祉士・看護師・保健師・医師及びその他の支援者の協力のもとに,メンタルヘルスの推進と心のケアシステムの充実に向けて活動を行なっています。
マインドファーストは,メンタルヘルスユーザー,家族,市民一般からなるNPO 法人で,臨床心理士・精神保健福祉士・看護師・保健師・医師及びその他の支援者の協力のもとに,メンタルヘルスの推進と心のケアシステムの充実に向けて活動を行なっています。
マインドファースト事務局:
〒760-0032 香川県高松市本町9-3白井ビル403
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☎ 090-2828-7021
https://www.mindfirst.jp/
世界メンタルヘルスデー
街頭キャンペーン
世界メンタルヘルスデー(World Mental Health Day)とは,メンタルヘルス問題に関する世間の意識や関心を高め,偏見を無くし,正しい知識を普及するために定められた国際デー(記念日)のことです。
10月10日(日),10:00からJR高松駅周辺で,世界メンタルヘルスデーのための街頭キャンペーンをスタートしました。今回はマインドファーストの5名に加え,香川県障害福祉課から3名の県職員の方が参加されました。「心の健康は誰のもの?(マインドファースト編)」と「COVID-19と心の健康(WHO版 マインドファースト訳 抜粋編))」2種のチラシとシルバーリボン345組を準備し,11:30にはすべてを配布し終えました。
以下に参加者体験記を掲載いたします。
私のメンタルヘルスデー
理事 柾 美幸
10月10日の「世界メンタルヘルスデ―」に今年も高松駅周辺でキャンペーンを行いました。これは毎年この時期に行っているものですが,今年は香川県障害福祉課の方が3名,参加してくださいました。本当にうれしかった!仲間だけで毎年行っているけれど,いつも何かしら「孤独」を感じていました。でも今年は違います!とても心強く,いつもの年にもまして,参加メンバーも広報活動に力が入ったように思います。
何と言っても配っているチラシを,みんなが受け取ってくださるわけではなく,私も含めて,関心がないものを読もうとしないのは人の常。それでもほんの少し,心の健康に関心を持っていただけたらと思っていますが,なかなか…。チラシを受け取ってくださると元気が出るものの,「大丈夫です」と言われると,あれ?しょぼん…となってしまいます。やはり人は人とのちょっとしたつながりで,元気になったりしょんぼりしたりするものですね。
これからは,街頭でチラシを配っている人を見かけたら,積極的に受け取ろう!とにかく暑かった!
先日,友人に「源氏物語を読むと,心のありようが,いかに人の健康を左右するかがよくわかる。」と言ったところ「そういう読み方をする人は少ないと思う。」と言われました。でも,源氏物語の登場人物は,深く悲しみ,よく泣き,病にかかり,儚くなくなってしまいます。
今日の活動で,私は絶対に,人を「孤独」にしてはならないと思いました。人のつながりが,どれほど気持ちを強くするか,改めて感じたメンタルヘルスデ―でした。
「世界メンタルヘルスデー」
街頭キャンペーンに参加して
理事 森本雅榮
街頭キャンペーンへの参加は去年に引き続き3回目です。新型コロナウイルスとのつきあいも2年目が終ろうとしていますが私たちの生活はすっかり引きこもりの生活に慣らされてしまいました。高松駅前は,昨年よりも人出が減り閑散としていましたが「さぬきマルシュinサンポート」のイベントに出掛ける人たちがいたことは幸いなことでした。
そんな中,県障害福祉課の方々と一緒に「今日10月10日は世界メンタルヘルスデーです」「心の健康の日です」と声を張り上げました。横目でちらりと見て伏し目がちに通り過ぎる人,「ウチは大丈夫です」と足早に立ち去る人,立ち止まって「ご苦労さん」と声をかけて行く人など様々な人がいて,毎年の同じ光景に妙に安心しました。
そんな中でも今年目を引いたのは,「京都から来た
のよ。新幹線の中で読むわ」と言ってチラシを受け取ってくれた方がいました。また近くのバス停の椅子に座って熱心にチラシの裏をひっくり返して読んでいた人もいました。男子高校生はもじもじしながら受け取ってくれました。女子中学生らしい3人組は先に2人に渡した私を見て,「私も欲しい」と言いたげに待ってくれていました。急ぎ足で立ち去ろうとする母親にだっこされた幼い子どもは「ちょうだい」とばかりに手を差し出してくれました。
コロナ禍の中ではありましたが心温まる触れ合いが幾つかあり,人々の変らぬ営みを感じました。10月にしては夏日の炎天下の中,平穏な日常が1日も早く戻りますようにと,5年先10年先も希望に満ちた世界でありますようにとの願いを込めて声を張り上げ続けました。
新型コロナウィルス感染症の第6波が云々されていますが,ひとときの晴れ間を街の人たちと心を分かち合った思いがした世界メンタルヘルスデーでした。来年こそは身も心もスッキリとした秋空を期待したいと思います。
世界メンタルヘルスデー街頭キャンペーン2021
「私はメンタル強いですから」
理事 山奥浩司
非常事態宣言明けのJR駅前での街頭キャンペーン参加。予想をはるかに下回る人出の少なさに驚き。若い世代,旅行者がほとんどで家族連れはチラホラ。バス停前のベンチに座っている人もほぼ皆無の状態。「若い世代に積極的に(呼びかけを)」と自分自身のエネルギーを充填。チラシ配布開始。手に持ったスマホを見たまま,プラカードを一瞬見て歩くルートを変える。「見ざる聞かざる」の例年通りのパターン。そんな中でも数人の男女,数組のグループは立ち止まってくれた。チラシを受け取ってくれた個人,グループもいたけれど,半数以上の若い世代の反応が標題にした「私はメンタル強いから大丈夫です」という内容の言葉だった。内容の真意は別にして,違う個々人に声をかけているのに返信の内容,使われる単語までが酷似していることに驚き以上に不思議さを感じた。マニュアル通りというか画一的で個性が見えず,その時点で「あなたのメンタル,本当に大丈夫?」と思った。
若い世代の不登校,引きこもりの増加傾向に歯止めがかからず,どんどん孤立化・孤独化していく現状。その原因の一端を垣間見たような気がした。五感をフル稼働して物事を見聞し頭で考え,心の内側を自分オリジナルの言葉で発信する。そのような一連の作業の積み重ねで「こころの健康」はゆっくりと熟成されるのでは。そんな事を考えさせられた街頭キャンペーンだった。参加していただいた県障害福祉課のお一人「受け取ってもらえなかった時のメンタルの維持が大切ですね」の言葉がジンワリと沁みてきている。
第212回理事会報告
日 時:2021年10月11日(月)19時00分~21時00分
場 所:マインドファースト事務局オフィス本町 高松市本町9-3白井ビル403
事務連絡および周知事項,報告事項:省略
議事の経過の概要及び議決の結果
第1号議案 会計に関すること:理事長島津と理事柾から会計報告があり,下半期財政が厳しい状況になるとの判断から,短期借り入れを行うという提案があり,第206回理事会で議決されていた通り,借入金の予算は年度会計金額の1割(50万円)とし,返済はマインドファーストの出納閉鎖の2022年5月20日を期日とする。理事に支払う駐車料等の経費についても同日にまとめて清算する。なお,短期借入契約書を作成することで了承された。
第2号議案 「居場所づくり事業」に関すること:①REPOS:10月3日に開催された。10日は世界メンタルヘルスデーのキャンペーンのため休み。運営会議のための素案を作成する。合同会議などいろいろなところで話をして賛同者を募る。その時に活動内容だけではなく,財政問題についても検討をすることで了承された。②リトリートたくま:10月26日県子ども政策課訪問の時に知事への提言書を持参することで了承された。
第3号議案 民間助成金に関すること:各種民間助成の検討を行ったが,基本的には継続性の確保が必要であるため,10月26日に県子ども政策課訪問時に,内閣府から出ている「子どもの居場所づくり事業」について協議する。併せて民間助成金についても調査し,理事MLで情報を共有することで了承された。
第4号議案 令和3年度募金(4年度助成事業)テーマ募金に関すること:11月19日の連絡会議には森本が出席する。10月18日締め切りのチラシの内容について,募金目標額は100万円とし,コロナ禍における心の健康を盛り込む。理事MLにて検討をすることで了承された。
第5号議案 令和4年度香川県地域自殺対策強化事業に関すること: 10月22日締め切り。今年度と同様,ファクトシート2部を増刷することで了承された。
第6号議案 世界メンタルヘルスデーに関すること:参加者は通信11月号のレポートを提出することで了承された。
第7号議案 理事・ファミリーカウンセラー・ピアサポーター合同会議に関すること:11月28日(日)13:30~15:00 会場は未定。内容については理事のアイディアを集約することで了承された。
第8号議案 高松市自殺対策推進会議に関すること:11月15日開催の標記会議への出席並びに各団体への調査依頼については,いずれも花岡が担当することで了承された。
編集後記:人は,家族,学校,職場,地域社会などにおいて,支配的,統制的,干渉的人間関係に置かれると,メンタルヘルスを損ないます。言論の自由,職業選択の自由,移動の自由などの制限を受ける宿命のもとに生まれ育った女性が,数年来パートナーの選択を巡り,婚姻の自由の制限を受けるというストレスに晒され,複雑性PTSDと診断を受けました。そして,海外へ拠点を作り,大切なソーシャルサポートであるパートナーと共に日本を離れることになりました。トラウマ理論からも,脅威や苦痛に直面したとき,安心感が得られる人間関係や環境に頼って情動を調整することは,その回復にとって最善の方法であると言われています。今回のことは,新たな居場所を必要とするわが国の若者が置かれた事情を象徴する出来事と見ることもできます。実質的に亡命宣言とも言えるこの不幸な現状をマスメディアや日本国民はどのように受けとめているのでしょうか。(H)