理事・認定ファミリーカウンセラー・ピアサポーター・会員 合同会議

2021年11月28日(日)13:30~15:00,丸亀町レッツカルチャールームⅡにおいて,理事・認定ファミリーカウンセラー・ピアサポーター及び会員合同会議が開催された。理事長挨拶と出席者の自己紹介の後,マインドファースト家族精神保健相談員施行細則(2021年5月10日施行)を踏まえ,今後の認定ファミリーカウンセラー資格更新に関わる事項について説明が行われた。次に,「REPOS」を様々なメンタルヘルス問題を抱えた人たちの居場所として充実・発展を図るための意見交換と運営スタッフの確保について協議が行われた。また,これまで第4月曜日午後7時から開催されてきた認定ファミリーカウンセラー定例会議の開催日時の変更やオンライン会議の導入,さらに会議内容として報告・審議事項だけでなく学習プログラムの追加などについて意見交換が行われた。今回は,理事,認定ファミリーカウンセラー,ピアサポーターに加え,活動の趣旨に賛同して参加した会員にも呼びかけ,総勢16名の参加となった。

諸会議参加報告

令和3年度高松市自殺対策推進会議

11月15日(月)10:00~11:30,高松市保健センターにおいて,令和3年度高松市自殺対策推進会議が開催され,関係諸団体,諸機関及び関係部局を代表する23名の委員の出席があり,マインドファーストからは理事長代理として理事の花岡が出席した。

冒頭,コロナ禍で,女性,未成年者の自殺の増加の現状を踏まえ,民間団体や市民との連携を通して自殺予防対策を総合的に推進する機会にしたいとの楠参事の挨拶があっ

た。市の自殺対策計画の進捗状況の説明で,市民アンケートにおいて,ストレスを感じる人が70%という数値が示された。しかし,一般市民が,今日一般企業などで実施されているストレスチェックのように,どのような生活課題でどの程度ストレスを受けているかを知るための健康政策がないことも明らかになった。自殺の動機別比率では,健康問題が最も多いが,自殺の原因は複合的なもので,健康問題が多いと短絡的に捉えるのは問題があるとの解説があった。

マインドファーストからは,コロナロスによる未来予測としてロストジェネレーション問題への強い関心を持っておくことが大切であると強調しておいた。今後の取り組みとして,メンタルヘルス対策が重要であることを確認して会を終えた。(花岡正憲 記)

第1回三豊市自殺予防対策協議会に参加して

2021年11月19日(金)14時から,第1回三豊市自殺予防対策協議会が,三豊市危機管理センター会議室で開催されました。出席者は,協議会委員が15名,事務局が13名で,協議会委員の構成は,学識経験者(1名),保健医療福祉関係者(6名),民間団体(2名),労働関係・消防関係・警察関係(各1名),教育関係(2名),団体関係(1名)です。

事務局から,三豊市の自殺の現状について説明がありました。三豊市でも,平成22年以降減少していた自殺者数が昨年度は11年ぶりに増加に転じています。また「同居人あり」が「同居人なし」の約4倍というのも気になります。

「三豊市に協力できること」を各団体の活動について紹介を交えて発表いたしました。その中で皆さんが口にしていたのが「連携」という言葉でした。連携したい,うまく連携しなくては,連携が重要等々。その他では,家族がありながら孤独感を抱えている人にいかにつながるか。皆さんそれぞれの現場で,真剣に取り組まれているという←


→ことがよく伝わってきました。

このような会議に参加する経験の少ない私は,事務局の方の人数の多さに驚きました。

三豊市役所の方といろいろお話をさせていただくようになったのは「リトリートたくま」を運営するようになってからのことです。オープン当初から,関心を持っていただき市の広報誌にも幾度か掲載していただきました。というわけでまだまだ新参者の私には,福祉課と子育て支援課の方ぐらいしかわかりません,ましてやマスク生活ですから尚更です。

ここで感じたことは,行政の縦割りと言われてきたものに,変化が起きているということです。これまでは,隣にグループがあってもなかなかつながれないと言われる行政の体質でしたが,ここは一味違うように思いました。

マインドファーストの活動は多岐にわたっています。少ない人数でてんてこ舞いです。それぞれが職業を持ちながら,それでも「何とかしなくては」との思いが活動を支えているのだと思います。より多くの人たちに「心の健康」がいかに大切か「あきらめなくていいよ」とお伝えできればと思います。そして同じ思いの人とつながっていたいと思います。(柾 美幸 記)

技術援助 講師派遣

高松市教委におけるゲートキーパー普及啓発事業

11月16日(火)9:30~11:00,高松市総合教育センターにおいて,高松市内の中学校に配属されているスクールソーシャルワーカー(SSW)13名及び教育委員会指導主事3名を対象にゲートキーパー研修が行われ,講師として理事の柾と花岡を派遣した。香川県精神保健福祉センター職員でSSWでもある出口氏からの現状報告に続き,マインドファーストからは「自殺予防の基礎を学ぶ-私たちにできること-」と題して,ファクトシート「自殺を考えている人とその家族や友人のために」「若者を自殺から守るために-家族と友人ができること-」「自傷行為を防ぐために」「COVID-19と心の健康」についての解説の後,意見交換を行い,終わりに自傷行為の背景を理解するために「愛着障害」の概念と対応について解説を行った。

2021年度若者層向け自殺予防・心の健康づくり事業

11月24日(水)15:20~16:20,坂出市立金山小学校教員向け出前講座に講師として花岡を派遣した。学校長をはじめ13名の教員を対象に,「ゲートキーパーの役割-ハイリスク生徒のために-」と題して講義を行った。自殺企図や自傷行為を心の健康問題としてどのように捉えるか,そしてケアを行う上で支援者にはどのような知識とスキルが求められるかについて質疑を交えて解説を行った。

第213回理事会報告

日 時:2021年11月8日(月)19時00分~21時20分
場 所:マインドファースト事務局オフィス本町 高松市本町9-3白井ビル403

事務連絡および周知事項,報告事項:省略
議事の経過の概要及び議決の結果


第1号議案 会計に関すること:島津理事長から説明資料を持って報告があり了承された。

第2号議案 「居場所づくり事業」に関すること:(1)REPOS担当の山奥から,調査研究事業の一環として,資料をもって居場所運営委員会への参加を合同会議において呼びかける提案があり,居場所の必然性について明示的に説明を行うことで了承された。(2)リトリートたくま担当の柾から,引き続き三豊市との協議の場を持つ予定について説明があり了承された。また,クラウドファンディングの実施について,今後前向きに検討することで了承された。

第3号議案 理事・認定ファミリーカウンセラー・ピアサポーター合同会議に関すること:会場は,第165回ファミリーカウンセラー会議で審議提案された丸亀町レッツⅡで開催することで了承された。定例ファミリーカウンセラー会議の開催について,多くの人が参加しやすいように,当日参加した人の意見を集約し,今後の定例ファミリーカウンセラー会議の開催日時及び場所を検討することで了承された。

第4号議案 令和3年度テーマ募金に関すること:チラシのデザインについて,昨年同様のものとし,内容については,募金目標額100万円とすることで了承された。発送準備作業は12月26日(日)10時から行う。発送先リストについては今月中にメーリングリストにて伝える。新たな人を加える場合はメーリングリストにて送られてきた名簿に各自が追加記入するか,島津まで連絡をするということで了承された。

第5号議案 令和3年度香川県地域自殺対策強化事業に関すること:ブロシュールの発送については,例年2月に発送をしていたが今年度はテーマ募金チラシ発送準備が終わり次第準備にかかることで了承された。

第6号議案 短期借り入れに関すること:理事花岡正憲氏から借り入れることで了承された。理事花岡正憲氏が退席したのち審議し,借入契約書に資金使途・利息及び担保に関する項目を明記して作成することで了承された。

第7号議案 世界メンタルヘルスデイに関すること:審議未了。


編集後記:米国CDC(疾病対策予防センター)は,自殺の防御因子の一つとして,「現在受けている医学的及びメンタルヘルスケアにおける支援の質」をあげています。わが国では自殺の動機別比率では健康問題が一番多くなっています。検視の現場で自殺と認定された場合,当人の受診歴などから自殺の背景に健康問題があったと判断ないし推定されることが少なくありません。こうした事情から動機別でみた場合,健康問題の比率が高くなるようですが,このことは自殺予防対策において,医療が成功していないことを示唆しているとも言えるでしょう。自殺の動機は複合的であるだけに,その支援も包括的なものであるべきです。自殺に追いやる社会悪への対策をうつ病をはじめとした疾病対策に置くステレオタイプな見方の弊害に,行政当局もようやく気づき始めたと感じております。(H)