活動報告

世界メンタルヘルスデー

街頭キャンペーン

世界メンタルヘルスデーとは,メンタルヘルス問題に関する世間の意識や関心を高め,偏見を無くし,正しい知識を普及するために定められた国際デーのことです。

10月8日(日),10:00からJR高松駅周辺で,世界メンタルヘルスデーのための街頭キャンペーンを行いました。今年は,香川県と高松市の職員の参加協力もあり,マインドファーストの4名と協同で,「心の健康は誰のもの?」と「大規模災害とメンタルヘルス-回復のためのセルフケア」2種のチラシ(いずれもマインドファースト編)にシルバーリボンラベルを添えて,約350組を配布しました。

今年からは,10月4日から11日,日没から22時まで,香川県と高松市の合同で,高松シンボルタワーがシルバーにライトアップされました。

以下に参加者体験記を掲載いたします。


silver ribbon

マインドファースト理事長 島津昌代

「10月10日は世界メンタルヘルスデーです。シルバーリボンのキャンペーンをやっています」10月8日,高松駅前にて世界メンタルヘルスデーの街頭キャンペーンを行いました。新型コロナウイルス感染症の流行以降,大きな声を出して呼びかけることには若干のためらいがありましたが,今年もマスク着用のもと声を発しました。

当法人がこのキャンペーンを始めたのは平成28年で,今年で8回目になります。今年は,香川県と高松市の協働でシンボルタワーがシルバーにライトアップされたこともあって,キャンペーンにも香川県障害福祉課と高松市健康づくり推進課の方が参加してくださいました。また,中学生がボランティアで参加してくださったのも嬉しいことでした。

さて,キャンペーンでは世界メンタルヘルスデーについてのチラシとシルバーリボンのステッカー,「大規模災害とメンタルヘルス」のファクトシートを配ったのですが,人々の反応が様々なのは例年通りで,関心を向けてくだ

さる方もいれば,関りを避けるようにする方も見られました。それでも興味深かったのは,小さい子どもが私の発する「10月10日は世界メンタルヘルスデーです」「シルバーリボンのキャンペーンです」をまねて同じように言っていたことです。それが一人や二人ではなく,数人に見られました。これまでにも同様の活動をしてきましたが,あまりそうした子どもたちの反応を感じたことはなかったので,ちょっと不思議な気がします。しかし,今は意味もわからずオウム返しのように言っていたことが,その子たちが大人になる頃には当たり前のように「10月10日は世界メンタルヘルスデー」が知れ渡っていてほしいなと思い,チラシを受け取らない人の耳にも残るよう,一定リズムで「10月10日は世界メンタルヘルスデーです」と繰り返させていただきました。

この日は天気が曇りで,キャンペーン中に雨が降り出さないか内心ドキドキしていたのですが,シルバーがシンボルカラーになった由来は,こんなどんよりした雲の隙間から差し込む太陽の光が銀色に輝いて見えたことだったと思い,あいにく太陽には出会えませんでしたが,キャンペーンに参加してくれた同志やチラシを受け取ってくださった方とのちょっとしたふれあいに,メンタルヘルスに大切な人のあたたかさを感じるキャンペーンとなりました。


silver ribbon

マインドファースト副理事長 柾 美幸

年に一度のメンタルヘルスキャンペーンです。今年はリトリートたくまを利用されていた中学生が応援に来てくれました。

初めはとても戸惑った様子でしたが,途中から県障害福祉課の人の傍へ行き,一人の方に手渡せた後「めっちゃ楽しいわ!」と目を輝かせていたのが印象的でした。その後コツを掴んだのか,とても上手に通行されている方にお配りしていました。それぞれの人に説明をしながら丁寧に配っている様子がうかがえました。2時間高松駅前で立ちっぱなしでさぞ疲れたことだろうと思います。

終わった後に感想を聞くと,「学校でもボランティア←


→に参加したことはあるが,全然違う。面白い!この人だったら受け取ってもらえそう,と思い声をかける。必ずしも優しそうな人が受け取ってくれるわけではなく,怖そうな人でも何となく感じる。ほんまに楽しかった。」そうです。

沢山の人にチラシの説明をしているので何を話していたのかと尋ねると「昨夜チラシの中身を読んで理解してきたからその説明をしていたんや。」との返事,試験前なのに・・・。

当たり前のことですが,私たちが生きているこの社会はいろんな年齢の人がいます。高齢の方に丁寧に説明をしている彼の姿を見て,また彼とキャンペーンをして,とてもワクワクする楽しい時間でした。もっともっと若者や子どもたちとこういった活動ができる場があればこの社会は楽しいんだろうなと思いました。

最後に「来年も来てね。」に対して彼は「来年は受験生だから無理や!」と…。


silver ribbon

マインドファースト理事 森本雅榮

街頭キャンペーンに参加して5年目になります。COVID-19も5類に変更したことで街は大勢の人であふれ返っているのではと期待していました。ところがあいにくイベントがなかったためか,曇天のためか,はたまた連休で遠出をしていたためか,期待していたほどの人出ではありませんでした。それでも普段よりは大勢の人たちが行きかっていたように思いました。マスクを外した人も思った以上に多くいましたし,大きい荷物を背負った外国や県外からの旅行客にもたくさん出会いました。普段の生活が戻りつつあるのを感じました。

そんな中いつものように「10月10日は世界メンタルヘルスデイです」「心の健康は誰のものでしょう」と声を張り上げ,用意したチラシを配りました。例年のことですが笑顔で受け取ってくれる人がたくさんいました。「ありがとう」「ご苦労さま」と声をかけてくれた人,引き返してきて数枚受け取ってくださった人もいました。一方ちらっと見て素通りする人やあきらかに避けて通る人,「私には関係ありません」「私は大丈夫です」と言う人も多くいました。昨年同様に「『世界メンタルヘルスデイ』って宗教?」と尋ねてきた人もいました。

チラシを受け取ってもらえなかった人の中に,気になる高齢のご夫婦らしい2人がいました。夫であろう男性に従って少し離れたところからついて行っていた女性はニコニコしてチラシを受け取ろうとしてくれました。ところが少し先を行っていた男性の「何しとるんや,早くこんかい!」との大声に女性は慌てて手を引っ込め,「ごめんなさい」というように手を合わせて通り過ぎて行きました。図らずもこのご夫婦には行きと帰りの2度に声をかけてしまいました。2度目も同じように大声で男性に言われて手を合わせた女性の姿がいつまでも目から離れませんでした。家庭の中の一光景を見たような気がしました。今なおこんな風に人前で怒鳴られる女性を思いやりながら,メンタルヘスデイの活動の道のりが明るいものとなることを祈らずにはいられませんでした。

様々な人が行きかう街中でのキャンペーンは些細なことに気づかされる場となります。来年もまた新たな人との出会いを楽しみに参加したいと思いました。


第238回理事会報告

日 時:2023年10月2日(月)19時~21時15分

場 所:高松市本町9-3白井ビル403 オフィス本町

事務連絡および周知事項,報告事項:省略

議事の経過の概要及び議決の結果

第1号議案 会計に関すること(添付資料有):理事長から9月期に関する報告があり,了承された。

第2号議案 調査研究事業に関すること:居場所づくり企画運営員会の開催については,担当の山奥氏に調整を,また傾聴・相談力セミナーワーキンググループの開催は上田理事に委ねることで了承された。

第3号議案 「特定非営利活動法人マインドファースト技術援助実施要領(案)」に関すること(添付資料有):花岡理事から,案について説明があり, 2023年10月2日付で,理事会発出することで了承された。

第4号議案 共同募金に関すること(添付資料有):2023年度テーマ募金チラシの変更点について審議が行われた。「長期化するコロナ禍でメンタルヘルスケア※を必要とする人たちへの支援活動が一層求められるようになっています。是非,あなたの力を貸してください。」の表記については,「今日,子どもや若者のメンタルヘルス※ケアが一層求められるようになっています。是非,あなたの力を貸してください。」へ変更することが了承された。

第5号議案 2023年度ファミリーカウンセラー養成講座・基礎コースに関すること(添付資料有):現時点での申し込み者はゼロであること,ホームページへの掲載を行うことで了承された。「開催マニュアル」の活用に向けてについて,青木理事から説明があり,次回講師会を10月4日19時から,オフィス本町で開催することで了承された。

第6号議案 世界メンタルヘルスデーのキャンペーンに関すること: 10月8日10:00からの街頭キャンペーンの事前打ち合わせと参加員数の確認が行われ,参加者にマインドファースト通信掲載のためのレポートの作成依頼を行うことで了承された。

第7号議案 理事,ファミリーカウンセラー,ピアサポーター合同会議に関すること:10月9日(月祝)13:30~15:00,高松市男女共同参画センター学習研修室において開催されること,10月1日現在の参加予定者は11名であること,各担当理事から事業説明を行うことで了承された。

第8号議案 2024年度自殺対策強化事業に関すること:理事長から案について説明があり,基本5事業について,基本的にはこれまでの活動を踏襲することで了承された。

第9号議案事業担当理事の役割に関すること:事業ごとに定められている担当理事の役割の範囲については,必ずしも事業そのものへの参加を求められるものではなく,それぞれの事業実施に資するための企画・調整を行う立場であることを確認し,了承された。

編集後記:英国皇太子夫妻が創設した慈善団体ロイヤル・ファウンデーションが,イギリスの16~24歳の若者3000人を対象に実施した調査によると,「友人など身近な人がメンタルヘルスに何らかの問題を抱えている」と答えた人は,約95%にのぼっています。また,そのうちの39%が,「自分の感情をあまりうまくコントロールできていない」と回答,65%が,「自分にとってメンタルヘルスは非常に重要」と答えています。世界メンタルヘルスデーの10月10日,最も重要な課題の公務ひとつとして「メンタルヘルスの促進」を掲げるウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃が,バーミンガムで,16~24歳の地元の若者100人を招いたフォーラムを開催しました。その席で皇太子夫妻は,「私たち全員が回復力を高め,個人として,また地域社会として力強く前進していくためには,前向きな人間関係を築くことが必要だと考えています。そして,そのためには,自分の感情を理解し,コントロールする能力を高めることが不可欠だと確信しています」と語っています。(H.)