マインドファースト理事 内海康則
8月25日に香川県庁で行われた「平成21年度 香川県自殺対策連絡協議会」にマインドファ−ストがはじめて出席をいたしました。本協議会は平成18年の8月に全国的に自殺者数が急増し,大きな社会問題になっていることを受けて,県内の関係機関が連携を図り,自殺対策事業を推進するために必要な事業の協議および情報交換を目的として設置されたものです。
今回の協議会では以下の5つの議題が取り上げられました。
(1)香川県の自殺の現状について:全国統計をもとに香川県における発生件数はじめ,項目ごとの比較分析に関する報告がありました。平成20年度は香川県内の自殺者は200名ですが,全国では約3万人を超えており依然高水準です。自殺死亡率(人口10万対)は,全国値が24.0に対して香川県は20.1で全国値より低く推移していますが,現在の日本の雇用状況を考えるとまだまだ予断を許さないのが現状です。
(2)平成21年度の自殺予防対策の取り組みについて:本協議会に出席した団体の代表から,現在実施している事業内容と今後の計画も含めた活動を報告する機会を与えられました。マインドファ−ストは,平成20年4月から実施している「サバイビング」(自殺で大切な人を亡くされた人たちの支援グループ)の取り組みに加え,今後予定している精神的健康の回復と予防に向けての個別相談事業の必要性についてもアピ−ルをしました。
(3)地域自殺対策緊急強化基金事業について:国が総額100億円を基金として都道府県に対して事業メニュ−を提示し,都道府県はこの事業メニュ−から地域の実情に合った事業を選択して実施します。実施期間は平成21年から23年までの3年間で,香川県には約1億4千万円が国から交付される予定です。
(4)自殺予防・こころの健康づくり対策モデル事業について:本協議会に所属している団体から自殺予防対策モデル事業の取組みの状況と今後のスケジュ−ルについて発表がありました。
(5)職域と連携した自殺の予防対策推進事業について:本協議会に所属している団体から「職域における心の健康づくりについて」の発表がありました。
今回の香川県自殺対策連絡協議会に出席して,各々の団体が人命尊重の観点から,自殺予防はもとより,メンタルヘルス対策,心の健康づくり,スクールカウンセリング,多重債務などのキーコンセプトに基づいて事業に取り組んでいることをあらためて知ることができ,今後の成果を大いに期待したいと感じた次第です。