SANEの事務局長Barbara Hockingは,「本来精神疾患を有する人は自殺のハイリスクに相当し,中でも自殺を図った人たちは,さらに不安定であることは広く知られている。また,どうすれば自殺のリスクを下げることができるかも分かっている。にもかかわらず,自殺未遂から生還した多くの人たちは,後は自分で何とかするようにと言わんばかりに放置されている。最良のプラクティスが行なわれていないために,人々の命を危険にさらしていることは極めて深刻な問題である」と述べている。
提言
- 早期介入:精神疾患は,自殺の大きな危険因子である。早期介入により自殺を減らすために,政策決定と支援活動に関わる者は,メンタルヘルスと自殺との関連に充分留意しておく必要がある。
- スティグマの解消:マスコミは,オーストラリア政府のガイドライン(Mindframe)に基づき,地域社会が自傷と自殺について率直かつ正確に語れるように日頃から支援を怠ってはならない。
- 継続支援:保健専門家は,基本的な助言や関連相談電話の電話番号をはじめ,相談電話ごとの詳細情報,自殺のリスクが起きたときにどう対応すれば安全が確保できるかなど,分かりやすいプランを提供すべきである。
- 最善のプラクティス:ヘルスケアのどの場面においても,心理的治療へのアクセスやかかりつけ医で自殺予防サービスが利用できるなど,自殺や自傷傾向が高い人が日常的に最善の治療を受けられるようルーティン化が必要である。
(「SANE Research Bulletin 11:Suicide, Self-harm and Mental Illness」から要訳 マインドファースト通信編集長 花岡正憲)
日時:2010年2月8日(月)午後6時30分〜9時00分
場所:高松市男女共同参画センター 第1会議室
審議事項並びに議事の経過の概要
第1号議案 事務連絡および報告:省略
第2号議案 講師派遣依頼について:2010年度の技術援助事業の一部として暫定協議が行なわれた。
第3号議案 フォークス21のホームページについて:マインドファーストのホームページにおける位置づけとリンク設定について見直しと整理が行なわれた。
第4号議案 ファミリーカウンセラー養成講座について:チラシ印刷部数及び発送準備作業等について協議が行われた。
第5号議案 メンタルヘルスユーザーの拠点と作業所の開設について:2010年度の事業計画として,具体的になにから着手できるか検討をすすめることで了承された。
第6号議案 2010年度事業計画及び総会の準備について:第一次集約作業を次回理事会で行うことで了承された。
第7号議案 個別相談の開設について:正式の開始日を 2010年2月9日(火)とすることが承認された。
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編集後記:自殺未遂者のケアに大きな課題を抱えるオーストラリアの自殺率は人口10万対10.8で世界第45位。自殺率23.7で世界第8位のわが国の自殺未遂者のケアの現状は,果たしてどうなっているでしょうか。地域社会に対してはメンタルヘルスと自殺との関連についての啓発が,そして自ら命を絶とうと考えている人に対してはそれぞれの事情に応じた危機プランが欠かせません。あらためてメンタルヘルス対策の底上げの必要性を痛感します。(H) |
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