2012年度 特定非営利活動法人マインドファースト通常総会報告
下記の通り,2012年度特定非営利活動法人マインドファースト通常総会を開催いたしましたのでご報告いたします。

  1. 日 時:2012年6月11日(月) 19時00分〜20時00分
  2. 場 所:高松市男女共同参画センター 第7会議室
  3. 出席者:(1)会員総数25名 (2)出席者数12名 (3)委任状提出者8名
  4. 審議事項
    (1)第1号議案:2011年度事業報告に関する事項
    (2)第2号議案:2011年度収支決算報告に関する事項
    (3)第3号議案:2011年度監査報告に関する事項
    (4)第4号議案:2012年度事業計画案に関する事項
    (5)第5号議案:2012年度収支予算案に関する事項
  5. 議事の経過の概要及び議決の結果
    (1)理事長挨拶:島津理事長の挨拶が行われた。
    (2)議長選出:内海康則が議長に選任され,議長より総会成立の要件を満たすことが報告され,本総会の成立を宣言した。議長により,花崎昇平と花岡正憲が議事録署名人に指名され,両者の承諾を得た。
    (3)議事の経過
    1. 第1号議案
      島津理事長より報告後,全員異議なく承認された。
    2. 第2号議案
      三好理事より報告後,全員異議なく承認された。
    3. 第3号議案
      長門監事より報告が行われた。
    4. 第4号議案
      島津理事長より説明され,全員異議なく承認された。
    5. 第5号議案
      三好理事より説明され,全員異議なく承認された。

    議長は,以上をもって特定非営利活動法人マインドファースト通常総会の議事のすべてを終了した旨を述べ閉会した。
第82回理事会報告
日 時:2012年6月11日(月) 20時00分〜21時00分
場 所:高松市男女共同参画センター 第7会議室
事務連絡並びに報告に関する事項:省略
議事の経過の概要及び議決の結果
第1号議案 活動費支払い規定にする事項:活動費規定を踏まえ,支払いを行うとともに,その妥当性ならびに公平性の観点から,必要な見直しを行うことで了承された。
第2号議案 管理費徴収に関する領収書の発行に関する事項:相談業務等に伴う管理費の徴収にさいして,領収書を発行することが承認された。

「精神疾患」をただの言葉遊びにしないために
オーストラリア ナショナルタイムズ
2012年5月20日
精神疾患ほど,混乱や誤解や恐れの対象になる健康問題はない。生涯において2人に1人が罹るほど増えているにもかかわらず,精神疾患患者は,暴力的で予測できない「狂気」を持った人という固定観念から,うつ病は「簡単に治る」といった考えまで俗説に覆われている。医療現場や研究者の多くの実績に反して,その原因や最善の治療法や患者に与える影響に関する知識には,ばらつきが大きい。
ここでは,ふたつの話題を紹介し,その問題点を明らかにしたい。一つは,裁判の場で,被告の弁護や減刑のために,精神疾患を利用することの妥当性に対して,有識者が異議を唱えていることである。もう一つは,心理療法関係の教育分野において,専門用語の使用を控えめにして,精神疾患の表現を見直そうとする立場である。
精神疾患については,過剰に悲劇的な表現がなされがちである。例えば,精神疾患の人は,一般人口と比べて,犯罪被害者になる確率が4倍であり,また,刑事被告人は,3倍から5倍,重症の精神疾患にかかりやすいという。しかし,うつ病が,明らかに刑事事件の被告弁護として利用されている傾向には,権利擁護団体は憂慮を示している。←




→ 極めて稀な精神病のケースを除いて,精神疾患と犯罪には,因果関係がないという点で,権利擁護諸団体の見解は一致している。オーストラリアうつ病イニシアティブbeyondblueの責任者ケイト・カーネル女史は,「この問題に関しては,普段でもその人がしないことやその人らしくないことは,病気になってもしないということが,精神疾患の真実である」と述べている。
うつ病は,周囲との関わりが少なくなるため,犯罪の可能性が下がることは事実である。とはいえ,法定弁論の場でそれを引き合いに出すことは,精神疾患に対するただでさえ否定的な態度を定着させてしまう。オーストラリアメンタルヘルス協議会の最高顧問,フランク・クインラン氏によれば,「エビデンスは,全く逆であるにもかかわらず,こうした状況が,スティグマを増幅し,精神疾患を有する人たちは,結局自分の行動をコントロールできず,犯罪に走りやすいといった認識を生みやすい」という。
あいにく,精神疾患であることを被告人弁護に用いることが,判決にどのような影響があるかについてのデータは存在しない。しかし,世論は,こうした弁論が乱用されていることをはっきりさせることに強い関心を持っている。
一方,心理分野における教育関係者は,「心理障害(psychological disorders)」と命名されても良い精神疾患の範疇を明確にしたいとしている。確かに,95%もの精神疾患がうつ病と不安に根ざした問題で,治療には必ずしも薬物を必要としないことを考えると,この用語は適切であるともいえる。「精神疾患というレッテル貼りは,心理障害としての考え方や本来心理治療が可能なものを医療モデルに駆り立てるだけでなく,スティグマを増強する」と心理学分野の人たちは述べている。
こうした心理学分野の努力は,精神疾患への理解が改善され,関係者が受け入れやすくなるという点では評価できる。しかし,メンタルヘルスケアの流れをこれまで以上に分断し,財源的にはさらに気前が良くなる分野を拡大することになりかねない。一方で,統合失調症や双極性障害の患者に対しては,別の新たなスティグマが生じかねない。単なるラベルの貼り換えではなく,精神疾患にまつわる根強い神話や誤解を払拭することを目的に,教育や啓発キャンペーンを継続していく方が望ましいと言えよう。
彼らのことをどう表現するにしろ,精神疾患を患っている人には支援が必要であることだけは,間違いのない事実である。
(要訳 花岡)
いじめ自殺は防ぐことができるか
学校でのいじめ自殺が,クローズアップされています。1986年,遺書を残した中学生のいじめ自殺事件が起きたとき,教育審議会の報告や識者のコメントに,受験ストレス,自己抑制力の欠如,放任家庭,異質なものを認めない精神文化,核家族化の中の孤独など,その背景要因を語る言葉が飛び交いました。さらに,その対策については,個性の重視,カウンセリングの充実,受験戦争の緩和などと,具体的な行動計画に欠ける言葉の遊びに終わっています。また,一審での判決は,「『葬式ごっこ』は,いじめではなく,むしろ一つのエピソードで,自殺と直接関係ない」と,当事者感覚からかけ離れたひどいものでした。
日本でいじめが問題になり始めたとき,テレビで英国での取り組みが紹介されたことがあります。専門のカウンセラーの指導のもとに,生徒自身がいじめられている生徒や,いじめている生徒のカウンセリングをする。印象深い場面でした。
いじめ自殺を防ぐには,学校文化や教師生徒の意識を変えて行く上での具体的取り組みが必要でしょう。学校現場で,自殺を考えている友達の自殺を思いとどまらせるための実技的教育やロールプレイを交えた演習を取り入れてみたらどうでしょう。どうせやるなら,「ごっこ」は「ごっこ」でも,「葬式ごっこ」や「自殺ごっこ」ではなく,学校ぐるみで,真剣に,「自殺予防ごっこ」をやってみることかもしれません。
しかし,教育関係者は,学校は,若い人は自殺とは無縁であるといった現実否認や,学校現場で自殺予防に取り組むと,生徒たちをその気にさせてしまうとか保護者が動揺するといった思い込みから,自殺という社会現象に,正面から向き合うことを避けたがる風潮があることも否めません。
今回は,教育委員会の調査が不十分なら文科省が直接調査をしても良いと言っています。しかし,事後の調査や識者・評論家の後知恵のコメントやかけ声だけでは,もはや事態は変わらないことは,明らかです。(M.H.)
 編集後記:物質に重さを与えてくれる粒子「ヒッグス粒子」の発見は,最近のビッグニュースです。素粒子論は門外漢ですが,現在の宇宙の誕生に重要な役割を果たした粒子とか。飛び出したり,行ったり来たり,重さを感じさせない人の言動が目立つ昨今,人間社会では,「ヒッグス粒子」のような役割がとれる人が少なくなったと言うことでしょうか。(H)